京都国立近代美術館にて「発見された日本の風景 美しかりし明治への旅」展示中

14.September.2021 | SPOT

企画展「発見された日本の風景 美しかりし明治への旅」が2021年9月7日(火)から10月31日(日)までの期間限定で京都国立近代美術館にて展示中。

 

会場風景

会場風景

 

 

展覧会は、日本の近代の始まりの時代である明治という時代を、当時の油彩画・水彩画を通して、そしてそこに描かれた風景・風俗を通して旅してみようという内容になっている。ヒトやモノが国境を越えて流動した19世紀後半、日本も西洋諸国からさまざまな文物や人々を迎え入れ、一大変革を経験したが、そうした中で制作された絵画には、むしろ日本の風景や風俗が昔のままで、失われる前の姿で記録されてもいたと言っても過言ではない。西洋から日本へ来た画家たちが西洋とは異質な日本の様子や印象を絵にしたのに対し、日本人画家たちは西洋から画法とともに「眼」を学び、自己を再発見するように絵を描いたのだろう。

 

 

展覧会で展示されている作品は、長らく行方不明だった黒田清輝の油彩画や、新発見の田村宗立の巨大作品など、海外で発見されて日本人コレクターによって収集されたもので、これらの大部分は日本初公開。また、英国の報道画家チャールズ・ワーグマンやフランスの報道画家ジョルジュ・ビゴー、明治後期の日本に水彩画ブームを引き起こした英国の風景画家アルフレッド・パーソンズとアルフレッド・イースト、ジョン・ヴァーレー・ジュニアの3人など、明治の日本を訪れた外国人画家たちが描いた風景画や風俗画も多数公開されている。さらに、日本の花と庭園を愛した英国の水彩画家エラ・デュ・ケインなど、活力に富んだ女性画家たちの作品や、近年再評価されつつある吉田博や笠木治郎吉、渡辺豊洲、小山正太郎、五百城文哉など明治洋画家たちの水彩画、油彩画も多数展示しており見逃せない。

 

これらの作品を通して当時の内外の画家たちが発見した日本の姿を見ることは、現代の人々にとっても、失われた自己の再発見になることだろう。

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    上村松園「花がたみ」1915

    上村松園「花がたみ(下絵)」1915

    上村松園「楊貴妃」1922

    上村松園「鼓の音」1940)

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    国宝 楓図 長谷川等伯 六面のうち四面 桃山時代 16世紀

    智積院蔵 【全期間展示】

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    弘法大師像 一幅

    室町時代 文安元年(1444)

    【展示期間:11/30~12/26】

    京都府指定有形文化財 興教大師像 一幅

    鎌倉時代 13世紀

    【展示期間:11/30~12/26】

    国宝 桜図 長谷川久蔵 五面のうち四面 桃山時代 16世紀

    【全期間展示】

      天正年間には豊臣秀吉政権の下で一旦衰退するが、その後、徳川家康の寄進を受け、江戸時代初期には現在の地に再興を遂げた。この地には元々、秀吉の夭折した息子・鶴松(つるまつ)(棄丸(すてまる))の菩提を弔うために建てられた祥雲寺があり、長谷川等伯(1539〜1610)と息子・久蔵(きゅうぞう)(1568〜93)が描いた名高い金碧障壁画群も、智積院による手厚い保護を受けて今日まで大切に守り伝えられてきた。  

    国宝 金剛経(部分) 張即之 一帖

    南宋時代 宝祐元年(1253)

    【全期間展示(場面替あり)】

    重要文化財 孔雀明王像 一幅

    鎌倉時代 14世紀

    【展示期間:12/28~1/22】

    重要文化財 瀑布図(滝図) 一幅 宋時代 13世紀

    【展示期間:11/30~12/26】

    婦女喫茶図 堂本印象 四面 昭和33年(1958)

    【全期間展示】

    本展は、国宝「楓図」「桜図」など、誰もが知る障壁画群を初めて寺外で同時公開し、桃山時代の絢爛豪華な抒情美にふれる貴重な機会となる。また、国宝「金剛経」や重要文化財「孔雀明王像」の他、仏堂を荘厳(しょうごん)する仏教美術の貴重な優品や、近代京都画壇を代表する堂本印象(1891〜1975)による「婦女喫茶図」に至るまで、智積院が秘蔵する多彩な名宝が一堂に公開されるので、この機会にぜひ足を運んでみては?
  • 『キューヴル美術館』の期間限定ショップが池袋PARCOにてオープン

    16.August.2022 | FASHION / SPOT

    パルコは、2022年8月19日(金)より9月11日(日)までの期間限定で、池袋PARCO本館にて、『キューヴル美術館 ミュージアムショップ』を開催する。  

    スキウサギのダンス

    リンゴを持つスキウサギ

    ピジャを食らうスキウサギヌス

    横たわる裸ネズミ

    カップの中のスキネズミ

    ネコノヒーの肖像

    悲熊の肖像

    記念グッズ

    キューヴル美術館 スペシャルレイヤーアクリルスタンド

    スクエアクッション

    A5クリアファイル(8種) 

    カプセルトイ 缶バッジ(6種)

    缶バッジ ステンドグラス 

    ガラスヘアゴム(2種)

    キャンバスアート(4種) 

    ステッカーシート

    エコトートバッグ(3種)

    ブロックメモ

      ※デザインは変更となる場合がございます。 ※価格はすべて税込です。 ※グッズの仕様は予告なく変更となる場合がございます。 ※一部グッズは、仕様上デザインを選べません。 ※掲載グッズは一部です。 ※数量限定につき、予告なく品切れとなる場合がございます。 ※購入数には制限を設ける場合がございます。 本展は、大人気漫画家キューライス氏の作品を美術館のコンセプトで構成した展覧会「キューヴル美術館」として全国のPARCOを巡回し、好評を得た会場内のミュージアムショップを池袋PARCOにて期間限定でオープンする。 会場では展覧会場でも展示していた、キューライス氏本人が2021年のひと夏を使いきって描き上げた渾身の油絵作品の抽選販売や、展覧会記念グッズなども販売されるのでお楽しみに。