架空の地方工業都市 “カグツチ市” に暮らす15人の仮想少女たちが、謎に満ちた “子供都市行きの大人バス” に乗って旅する中で、今を生きるため未来を犠牲にしたり、未来と引き換えに今を犠牲にしていくセカイ系ジュブナイル・メディアミックス・プロジェクト。

ディープな音楽性と歌唱力がエグいと評判の音楽活動を中心に、今春から、各メンバーのバックボーンに迫る前日譚小説の無料web連載も始まり、今後は、漫画化と人気声優らが出演する音声ドラマの製作が控えている。

そして2022年8月3日（水）に、来週リリースとなるEP「ASTRONOTES」に先駆け、新曲の「アッシュ」が先行配信され、ショートバージョンのアニメMVも同時公開された。

アッシュ Short MV

これは、ボカロＰの『ichica』が作詞・作曲を手掛けた “夏の終わりの感傷” を緻密に描いた作品。欧米で次世代ムーブメントになりつつある90年代ポップパンクや00年代エモのリバイバルをいち早く捉えたポストパンクなサウンドで、切なさを含んだ夏空のような疾走感が胸が締め付ける。

同時に、「毎年、記憶を失う彼女の救いかた」「透明なきみの後悔を見抜けない」の作者でメフィスト賞受賞者でもある『望月拓海』による前日譚小説の最新作「秋子エミと秋子ナミの場合」の完結篇も公開された。この作品は、ウェブサイト「tree」にて無料で読むことができる。

蒸発した父とネグレクトな母、占いを生業とする育ての祖母など、特殊な環境で生まれ育った人形のような同じ見た目を持つ双子の姉妹が抱えてしまった各々の闇と強さが容赦なく描かれている。追い詰められたふたりが作中の最後で選ぶ生き方は衝撃だ。本編である大人バスの旅に、この前日譚がどう影響してくるのか非常に楽しみになる内容となっている。

なお、前日譚小説には各話に十五少女が歌うテーマソングが設定されており、今作には前作シングルの「Eureka」がアサインされている。こちらも来週リリースの「ASTRONOTES」に収録される１曲。声優の鈴木杏奈（ナミ役）と藤寺美徳（エミ役）がＣＶとしてナレーションを担当したプロモーションビデオも必見だ。

秋子エミと秋子ナミが物語る小説ＰＶ

この秋からは、仮想空間でのライヴ活動の開始も発表。彼女たちの公式twitterでは、次々とその情報が更新されているのでチェックしてみよう。フィクションと現実をボーダレスに行き来する15人の仮想少女から、目が離せない。