TK from 凛として時雨「katharsis Tour 2019」ツアーファイナル閉幕

12.March.2019 | MUSIC

3月9日、TK from 凛として時雨が「katharsis Tour 2019」ツアーファイナルをTOKYO DOME CITY HALLで開催した。ストリーミングサービスによって海外でも数多くの人に聴かれた“unravel”に続き、再びアニメ「東京喰種」シリーズのテーマ曲となったシングル「katharsis」のリリースに伴う今回のツアーは、2月9日から一か月に渡り5公演が行われ、ソロとしての、バンドとしての充実した今を見せつけるものとなった。

開演時刻を過ぎ場内が暗転すると、サポートメンバーのbobo(ドラム)、吉田一郎(ベース)、大古晴菜(ピアノ)、佐藤帆乃佳(ヴァイオリン)に続いて、赤いシャツを纏ったTKが登場し、一曲目の“unravel”からライブがスタート。

“Wonder Palette”を終えると一旦紗幕が上がり、“Abnormal trick”や“Crazy Tampern”など、アッパーなナンバーでよりバンドのダイナミズムそのものを押し出していく。

再び紗幕が下ろされた中盤では、アコースティックな色合いのある楽曲を中心に、映像演出も交えてステージを進行。アコギを用いつつ、激しいパートではそれを歪ませてエレキのように弾き倒す“subliminal”、ピアノの速弾きフレーズがスリリングな“phase to phrase”、ヴァイオリンをフィーチャーしたクラシカルな“haze”と続き、このパートは感動的に締め括られた。

“contrast”から始まった後半戦では再びギアを上げ、浮遊感のある音像とパンキッシュなリズムの対比が鮮やかな“invalid phrase”から、後半のカオスな展開が強烈な“Shandy”へ。バラードの“memento”では再び映像と照明の演出が加わって、スケールの大きな世界観を展開すると、ラストはツアーのメインテーマである“katharsis”。ドラマチックなイントロに始まり、様々な展開が盛り込まれたこの曲は、文字通り一曲の中で何度もカタルシスが押し寄せるかのようで、見事にオーディエンスを圧倒して本編を終えた。

アンコールでメンバーがステージに姿を現し、会場中から大歓声が送られる中、本編ではほとんどしゃべらなかったTKがオーディエンスに感謝を伝えると、「もう2曲だけぶちかますので、最後まで一音も聴き逃さず楽しんでください」と話して、“Fantastic Magic”へ。

「『スパイダーマン』、アカデミー賞おめでとうございます」と言って、この日最後に届けられたのは、映画「スパイダーマン:スパイダーバース」日本語吹替版主題歌としてリリースされたばかりの最新曲“P.S. RED I”。紗幕には蜘蛛の巣を連想させる網目が映し出される中、boboの叩き出す手数の多いトライバルなビートに嫌が応にも体が動く。さらに、キャッチーなコーラスも加わることによって、フロアはこの日最大の盛り上がりを見せ、新たなライブアンセムの誕生をはっきりと感じさせた。TKは最後までシャウトを繰り返し、ギターを弾き倒すと、やり切った表情で一人ステージを後に。残った4人のメンバーが再度オーディエンスに挨拶をして、場内は温かな歓声に包まれた。

text by 金子厚武 photo by 中野敬久

TK from 凛として時雨は、このツアーの追加公演として”TK from 凛として時雨 katharsis Tour 2019 in Asia”を4月に開催する。

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