きゃりーぱみゅぱみゅ、島根県「出雲大社」にて一夜限りのワンマンライブ開催

31.March.2019 | MUSIC

2018年秋に、中田ヤスタカのプロデュースにより独自のオリエンタルなアプローチを進化させたオリジナル4thアルバム「じゃぱみゅ」をリリースした、きゃりーぱみゅぱみゅ。

そのアルバム収録曲の中で最も象徴的な楽曲「音ノ国」を掲げ、日本が世界に誇る文化遺産を舞台に、アルバムのコンセプトをより意識したスペシャルライブ「音ノ国ライブツアー2019」の開催を先日発表した。そして3月30日(土)、日本の神々の発祥の地と言われる島根県・出雲大社にて、第1弾公演「まぼろしのユートピア〜出雲大社の夜〜」が開催された。

以前、敬愛する美輪明宏さんから「あなたは、出雲阿国(いずものおくに)の生まれ変わりよ」とお言葉を頂いたという、きゃりーぱみゅぱみゅ。「出雲阿国」は、出雲大社に仕える巫女で歌舞伎の創始者と伝えられている人物。和装に金の鎖と水晶の十字架を胸に下げるなど、当時の常軌を逸脱したファッションは一部批判を受けながらも、自身の芸を貫き一世を風靡したと言われる。

常識にとらわれないファッションと音楽でワールドワイドに活躍する姿を「まさに現代版の出雲阿国」と美輪さんから称されたことを大事に胸に秘め、活動を続けてきたきゃりーがついに「出雲阿国」ゆかりの出雲大社でライブを実現させた。

厳かな空気に包まれた出雲大社の参道を進むと、突如として巨大な額縁に囲まれたステージが現れた。これからきゃりーぱみゅぱみゅが描く物語が、紙芝居のごとくその額縁の中でどう展開されていくのか期待感が高まる。額縁の中の装飾は、欧風の童話に出てくる植物やうさぎ、蝶などのモチーフもありながら、ポップなボーダーや水玉模様も垣間見え、どこの国ともどの時代とも言えない絶妙な世界観となっており、単なる「和風」でまとめていないところがきゃりーらしい。

 

冒頭、映画のオープニングのような映像が流れ、物語のストーリーが語られた。音楽の神「音龍」に守られ、毎日楽しく踊り、平和に暮らしていた“音ノ国”。しかし悪い亡霊によって、突如その暮らしが奪われてしまう。「音龍」は山の中に閉じ込められ、花や木は枯れ、人々は音楽を忘れて笑顔が消えていった。異変を感じ取って山の中で涙を流す「音龍」。人々に音楽を思い出させ平和だった“音ノ国”を取り戻すために、「音龍」の涙から誕生したのが、音姫きゃりーぱみゅぱみゅであった。


1曲目、オーケストラ調のゆったりとした壮大な楽曲「完全形態」に乗せて、従者を連れて、厳かに姿を現したきゃりー。紗幕越しに白地に黄金が輝くドレス姿が神々しく浮かび上がる。きゃりーの透き通った歌声が出雲の森に響き、瞬間的に幻想的な物語の世界に引き込まれていった。

紗幕が開き、額縁の中はまさに満開を迎えようとする桜を背景に、「きらきらキラー」「つけまつける」といったキラーチューンが立て続けに披露され、会場は一気にライブモードに。「今日は一夜限りのライブです!懐かしい曲もやろうと思ってセットリスト組んで来ました!」ときゃりー。

そこからは『じゃぱみゅ』収録曲だけに留まらず、「スキすぎてキレそう」「のりことのりお」「Unite Unite」といった久しぶりに披露された隠れた名曲から、デビュー曲「PONPONPON」といった世界的大ヒット曲まで、バラエティあふれるラインナップがテンポよく続く。

辺りはすっかり暗くなり、周囲の森や桜が様々な色に染まり、幻想的な世界に覆われていた。そして再び紗幕に映像が流れた後、「おしゃかカワイイ」と名付けた和装テイストを取り入れた薄ピンクの衣装に着替え、パステルカラーの觔斗雲に乗ったきゃりーが登場。すると冒頭アカペラで「にんじゃりばんばん」を歌い始め、誰もが知る自身の代表曲を今までと違うアプローチで披露した。そして「出雲大社に流れる空気があまりにも良すぎて、ライブをしながら何度か泣きそうになってしまいました」と今日の特別なライブに想いを寄せながら、「演歌ナトリウム」では振付をレクチャーしファンとの一体感を楽しんでいた。

その後、「インベーダーインベーダー」「ファッションモンスター」といったアップテンポの大ヒット曲でライブはクライマックスに。紗幕にはきゃりーの音楽のチカラによって解き放たれた「音龍」が山々の上空を飛び回る姿が映し出され、ついに本編最後には今回のライブのテーマソングでもある「音ノ国」が披露された。音姫きゃりーによって人々は音楽を思い出し、平和な“音ノ国”を取り戻して、物語は大円団を迎えた。

 

そしてアンコールでは、先日SNSを題材にしたドラマ「向かいのバズる家族」の主題歌に決定したことが発表されたばかりの新曲「きみがいいねくれたら」が初披露された。自身初めてというダンサーと2人きりの編成で、ドラマからインスパイアされたSNSをテーマにしたポップチューンに「自分史上、一番難しかった」というダンスを乗せながら、見事に歌い切っていた。

出雲大社という格式のある特別な空間で、みごとにオリジナリティのある”音ノ国”を表現したきゃりーぱみゅぱみゅ。2020年のオリンピックイヤーに向けて日本文化が注目される中、「出雲阿国」さながらにきゃりーぱみゅぱみゅの伝統と革新を融合させた独自の表現がますます世界に伝播していくことを期待させられる一夜だった。

 

なお「音ノ国ツアー2019」の第2弾は、「南座新開場記念 京都ミライマツリ2019」の一環として、平成最後の日である4月30日に京都・南座で歌舞伎とコラボした1日限りのスペシャルライブ「きゃりーかぶきかぶき」が実施される。歌舞伎の創始者「出雲阿国」の“生まれ変わり”きゃりーぱみゅぱみゅが、歌舞伎とコラボをするという、何ともドラマチックな展開である。今度はどんな伝統と革新を融合したステージを見せてくれるのか。きゃりーぱみゅぱみゅの進化は止まらない。

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