【MMNインタビュー 後編】Yunomi、日南結里を迎えて生み出した物語的サウンド×進化形フューチャーベースの秘密。アイディアの源泉、クリエイティヴの謎へ踏み込む!

12.January.2019 | MUSIC

Yunomi&YUC’eがオーガナイズするレーベル“未来茶レコード”が、初コンピレーション『未来茶屋 vol.0』を2019年1月12日(土)にリリースする。本作は、ダウンロードカードとして発売される他、Spotify、Apple Music、LINE MUSICなど各種ストリーミング・サービスでもリリースが決定している。2019年のシーンを占う、日本と世界を結ぶ気鋭のアーティストが集結した1枚だ。

 

未来茶レコードの代名詞であるフューチャーベースに捕らわれない次世代サウンドが収録される中、首謀者であるYunomiの新曲「白猫海賊船(feat.日南結里)」について、フィーチャリング・ヴォーカリストとして迎えた日南結里(ひなみゆり)とのスペシャルな対談トークをお届けしよう。声優、シンガーとして活躍する日南結里のプロフェッショナルな姿勢、そして新境地へと果敢にチャレンジするYunomiのクリエイティヴ論に注目してほしい。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

 

Part1の記事はこちら:【MMNインタビュー 前編】Yunomi、日南結里を迎えて生み出した “物語的”新境地サウンドのすごみ。未来茶レコード初コンピ「未来茶屋 vol.0」をリリースする意図とは?

 

 

■なるべく創造の泉の源泉に近いところに行こうと

——物語性ある歌詞の深みも強いですよね。もちろん、聴き手の想像力を刺激する自由な要素もあって。

 

日南結里:歌詞をいただいたときに、ディレクション・シートを頂いたんです。歌い方や歌詞の説明が書かれていて。最後に、なんでこういった歌詞にたどり着いたかが書かれていたんです。わたしは、それについてYunomiさんに聞きたくって。

 

——なんて書いてあったんですか?

 

Yunomi:厳密な指示というよりも“日南さんに委ねる”みたいなお願いです。

 

日南結里:“ある程度ラフな音程で歌ってほしい”と書かれていました。わたしは、普段歌入れの時にきっちりやらないとって思うタイプなんです。楽譜を見ながら歌うことが多いですし。でも今回はそれをやってはいけない曲なんだなって思いました。

 

——Yunomiさんならではのプロデュースワークですね。

 

日南結里:お会いした初日に色んなお話をしたんです。その日1日で、自分という人間をこんな風に感じられたのかなって発見があって。自分を見つめ直すいい機会になりました。

 

——そこでのイメージが、ディレクション・シートに結びついたのですね。ちなみに、「白猫海賊船(feat.日南結里)」の歌詞をみていると、これまでのYunomiさんのテイストと変化がありますよね。

 

日南結里:そうですよね。

 

Yunomi:どう歌詞を書くか、生み出すか、ということにこだわりました。“発想ってどこから来るんだろう”と思って、なるべく創造の泉の源泉に近いところに行こうと思いながら眠りました。そして起きた時に作りました(笑)。

 

一同:笑。

 

 

 

■ “こんな感じの顔なのかな”って表情が曲に

Yunomi:朝方、寝ぼけている時ってあるじゃないですか? その時って頭の蓋が開いているような状況だと思っていて。普段、AとBがあって結びつかないって思っているようなことでも、結びつけて考えられる状態というか。説明が難しいんですけど。

 

——うんうん、わかりますよ。

 

Yunomi:一方通行の思考から、別々の思考が結び付き合う感じというか。そんな状態な時に、どんな歌詞が生まれるのかなって。それで、夢で見たことを朝にショートショートのような小説にしたんです。そこで僕は海賊だったんです。猫がたくさんいる島にいて。誰も猫を見向きもしないような世界で。それで猫に向かって、“僕と一緒に行きませんか?”って言う自由へ向かうストーリーというか。その夢をメモに起こして、歌詞にしてみました。でも、夢を見ようと思って夢を見るのって大変なんですよ(笑)。

 

——考え方がYunomiさんらしくっていいなぁ。ドリーミーですね。しかも、お話を聞くだけでワクワクしますよね。原作めいたイメージがあって曲になるというのは、声優としても活躍する日南さんにとって面白い要素ですよね?

 

日南結里:普段、キャラクターのある声優として歌わせていただいているので、キャラクターに近づくために歌うと言いますか、そんな目標をたてていて。今回は、私が思った通りに歌ってほしいということで、その中に優しさだったり、猫ちゃんの“やさぐれ感”を歌詞の中で読み取って、いつもと違う感じで表現しました。自由にやらせていただきましたね。歌入れもスムーズでした。

 

Yunomi:とても早かったですね。メインは30分ぐらいでした。具体的な主人公像までは決めないで歌詞を書いていたので、日南さんの声が載ったことで“こんな感じの顔なのかな”って表情が曲に見えてきました。

 

 

■「白猫海賊船(feat.日南結里)」ではじまったお話は続いていく

日南結里:レコーディング自体は楽しかったのですが、実は心は苦しかったんです。わたしが「白猫海賊船(feat.日南結里)」から感じ取ったのは、ネガティヴな要素でした。“この猫ちゃんは幸せになれるのかな?”という想いですね。苦しみながら歌うことで、その物語をリスナーの方に楽しんでほしいと思いました。そこで“よし、自分はもっと苦しもう!”って思いました。

 

——たしかに、まだ結末の見えない物語の途中の曲ですからね。そんな意味合いでも、今後のYunomiさんのクリエイティヴの方向性のひとつのベクトル指し示す1曲になりましたね。

 

Yunomi:そうですね。僕の中では、数ある実験の中のひとつという要素もあったのですが、日南さんのおかげで、とってもうまくいきましたし、とても満足しています。声ひとつで本当イメージが変わりました。たぶん僕がどんな作品を作っても合わせてくれる方だと思いました。表現力が素晴らしかったです。

 

日南結里:普段のレコーディングって自分が録音するブースの横にエンジニアさんがいらっしゃるブースがあって、二つに分けられていて“窓からこんにちは”って感じなんですけど、今回はYunomiさんが真後ろにいらっしゃったんですよ。そこで、暖かく見守ってくださって。“いいよいいよ!”って言ってくださる優しいお兄さん的存在で、とても歌いやすかったですね。ひとつ質問したかったのですが、「白猫海賊船(feat.日南結里)」ではじまったお話は続いていくのですか?

 

Yunomi:続いていくでしょうね。いろんなことがあって、最初の場所に戻ってくるんじゃないかな?

 

——それこそミュージックビデオであったり、アニメや映画かというか、映像化してほしいですよね。

 

Yunomi&日南結里:(スタッフの方を見ながら)お願いします!!!

 

一同:

 

 

■2019年はじまりのシーンを象徴する1枚

——可能性として楽しみですよね。そして今回のコンピ「未来茶屋 vol.0」には、他にもYUC’eやAire、KOTONOHOUSE、Neko Hacker等による作品が収録されていて、ダウンロードカードと配信でリリースされますね。しかも、2019年1月19日にはタワーレコード渋谷店B1F『CUTUP STUDIO』で行われる『DOWNLOAD CARD SUMMIT 2019 SPECIAL LIVE』に皆さん出演するという。

 

日南結里:皆さん、コンテンツ的にも近しい界隈の方なんですよ。特にYUC’eさんは、私が夏に出演したライブのオープニング曲を作ってくださいました。

 

——「未来茶屋 vol.0」は、2019年はじまりのシーンを象徴する1枚になりそうですね。楽しみです。2曲目に収録された、TORIENAさんとのコラボ曲「ゲームオーバー」はどんな感じですか?

 

Yunomi:びっくりしました。はじめてフィーチャリングしたのが2年前ぐらいの「大江戸コントローラー(Yunomi feat.TORIENA)」なんです。

 

——「大江戸コントローラー(Yunomi feat.TORIENA)」は、Yunomiさんを代表する名曲ですもんね。

 

Yunomi:その頃に比べて、TORIENAさんの魂の込め方、気合の入れ方がすごいことになってるんですよ。「ゲームオーバー(Yunomi feat.TORIENA)」は怒りの曲です。優しさと憂いのある「白猫海賊船(feat.日南結里)」とは両極な世界観かもしれませんね。

ちなみに新曲「ゲームオーバー(Yunomi feat.TORIENA)」は、実は次の僕のアルバムの1曲目にしようと思っているんです。どちらもテーマは同じで。“人は、自由を求めて此処ではない何処かへ”行こうとするじゃないですか? “でも、自由って何だろう”って追求するのが最近の僕の作品のテーマですね。僕たちは、何処からきて何処へ行くのかっていう。

 

——気が早いですが、Yunomiさんの2枚目のアルバムはいつ頃リリースになりそうですか?

 

Yunomi:完成したらリリースされます(笑)。まだわからないですねぇ。

 

——ですよね。まずは、未来茶レコード初コンピ「未来茶屋 vol.0」をチェックしつつ、予習しながら楽しみにしています!

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  • 日米ポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅ × サブリナ・カーペンター対談 2人が感じる ”ポップミュージックの魅力” とは?

    09.May.2019 | FEATURES / MUSIC

    きゃりーぱみゅぱみゅが最新シングル「きみがいいねくれたら」をリリースする。この楽曲はTVドラマ「向かいのバズる家族」(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌。SNSを通して「いいね」をもらう瞬間の気持ちをポップなサウンドに乗せて、現代の「SNS迷子」たちの背中を押すような前向きなメッセージソングを完成させている。そんな彼女と同じく、現代のポップ・アイコンのひとりとして人気を集めるのが、ディズニー・チャンネルの「ガール・ミーツ・ワールド」のマヤ・ハート役などで知られ、自身も楽曲制作に積極的にかかわるアーティストとしても人気を集めるサブリナ・カーペンター。彼女が2018年のアルバム「Singular Act1」を引っ提げて来日した4月のタイミングで、日米のポップ・アイコンによる対談が実現した。

     


     

    ――サブリナさんはもともと、きゃりーさんのことが好きだったんですよね。

     

    サブリナ・カーペンター:そう、きゃりーさんのファンなの! 今日のネイルも可愛い!

     

    きゃりーぱみゅぱみゅ:わぁ、ありがとう!

     

     

    ――サブリナさんがきゃりーさんを知ったきっかけはどんなものだったんですか?

     

    サブリナ:もともとは、姉のボーイフレンドがきゃりーさんの大ファンで、3人で車に乗っていたときに「PONPONPON」がかかったの。それで「すごくいい曲!」と思ったのが最初だった。そのあと、自分で「PONPONPON」を歌った動画を、姉の彼氏に送ったりもして(笑)。それからどんどん、きゃりーさんの世界にのめり込んでいったんだ。

     

    ――以前、Instagramのストーリーズでもお気に入りの曲として「PONPONPON」を挙げていましたよね。

     

    サブリナ:そう。それが前回の来日のとき、1年ぐらい前の話かな。

     

    きゃりー:へえ、嬉しいなぁ。

     

     

    ――今回はそんな2人に「日米ポップ・アイコン対談」というテーマで話を聞かせてください。お互いに世界を舞台に活動していますが、海外のライブで印象的だった体験というと?

     

    サブリナ:たとえば、海外でパフォーマンスをする際には言葉の壁があるけれど、そこで逆に「音楽の力」を感じることが多いと思う。歌っているときに客席のみんなを観ると、中には泣いてくれている人もいたりして、「言葉を越えて音楽から伝わるフィーリングを感じてくれているんだな」って思えるのが、すごく嬉しい。今回の日本でのライブにも、前回より多くの人が来てくれて、出たばかりのアルバムの曲も歌ってくれたり、旗やポスターのような小道具を持ってきてくれたりして……。すごく嬉しい体験だった。日本のお客さんは、MCの時間はまるでピンが落ちる音も聞こえるんじゃないか、って思うくらい静かになるよね。最初に来たときはそれに少し驚いたけど、今回はずっと盛り上がってくれていてとっても楽しかった!

     

    きゃりー:私もこれまでアメリカや中国など色々な国を回らせてもらいましたけど、みんな日本語が喋れないはずなのに、日本語で歌詞を覚えてきてくれるんですよ。もちろん、いつも話している言葉ではないので微妙に違っている部分もあるんですけど、そこに愛おしさを感じてすごく感動しました。

     

    サブリナ:それきっと私のことだ! 私もきゃりーさんの歌を歌っているときは、上手く発音できていないと思うから(笑)。

     

     

    ――国や言語を越えて音楽で繋がったからこそのお話ですね。お互いに、自分の表現に向かうときに一番大切にしているのはどんなことですか?

     

    きゃりー:やっぱり、「自分のやってみたいことにチャレンジすること」は大切にしています。ソロなので、本当にたくさんのスタッフさんの力を借りて実現することですけど、曲ごとにコンセプトを考えて表現していくことはいつも大事にしていて。そのためにも、普段から映画を観たりして気になったところをメモしたり、色んなものを観に行ったりしますね。

     

    サブリナ:私も似てると思う。いつも大事にしているのは「2度と同じことはしない」ということ。やっぱり、曲ごとに成長していきたいし、曲を聴いてくれるファンの人たちにも、一緒に新しいことを体験してほしくて。みんなが私のやっていることに共感してくれたり、ロールモデルにしてくれているのなら、自分がリスクを背負って新しいことに挑戦する姿を見せることで、みんなにも色んなことにチャレンジしてもらいたいって思っているんだ。

     

     

    ――最近だと、それぞれどんなものに刺激を受けているんでしょう?

     

    きゃりー:最近だと、たとえば……私はティム・バートン監督の「ダンボ」。

     

    サブリナ:「ダンボ」! 私もすごく好き!!

     

    きゃりー:もともとオリジナル版も観ていたんですけど、ティム・バートン監督の作品は、その魅力を彼だけのフィルターを通して描いていて、それが本当に素晴らしいと思うんです。CGの表情も絶妙で、魅力的なファンタジーだと思いました。感動して泣いちゃった。

     

    サブリナ:可愛い(笑)。私の場合は、過去に旅行してきた場所かな。その土地ごとの色んな文化や風土にインスパイアされるし、そこで目にしたアートや写真にも刺激を受けてるよ。

     

     

    ――日本から刺激を受けることもあるんですか?

     

    サブリナ:もちろん! たとえば、原宿もそう。実はおととい、初めて原宿に行ったの。ずっと行きたかったんだけど、これまでは日本ではオフの時間がなかなか取れなくて。それで、今回初めて探検してみてすごく楽しかった。

     

    きゃりー:原宿のどのあたりに行ったの?

     

    サブリナ:裏原宿のヴィンテージショップ。あとは、原宿ではないけど、「teamLab」の展示も観に行ったよ。

     

    きゃりー:「teamLab」の展示、すごくいいよね。私も行った!

     

    サブリナ:とても楽しい展示だったね!

     

     

    ――今話に出てきた原宿は、そもそもきゃりーさんがかなり詳しい場所ですよね。サブリナさんに色んなオススメの場所を教えてあげられるかもしれません。

     

    きゃりー:サブリナさんはどんなファッションも似合いそうだから、たとえばロリータファッションにもチャレンジしてほしい(笑)。きっと可愛いと思います。

     

    サブリナ:うん、ぜひやってみたい! 実は「kawaii」系の服も色々と探してたんだ。

     

    きゃりー:ラフォーレ原宿の地下に、ロリータファッションやパンクファッションのようなものが揃っていてオススメだよ。そこに行くといいかもね。

     

    サブリナ:ぜひ一回、きゃりーさんにスタイリングしてもらいたいなぁ……!

     

     

    ――日々の中で刺激を受けたり、新しいものに出会ったりする場所と言うと、SNSの存在も大きいんじゃないでしょうか? ファンの人とも親密にコミュニケーションが取れますし。

     

    サブリナ:確かに、SNSを通じて、日常の中で「ファンのみんなが楽しみにしていること」に気づけた部分があると思う。昔は自分の目で見たものを通して、自分本位で生きていた部分もあったけど、今はSNSを通して、ファンのみんなと一緒に日常を過ごしているような感覚もちょっとあるというか。だからこそ「自分の日常をみんなにも見せたい」って思うかな。

     

     

    ――ある意味ではファンのみなさんと一緒に活動しているような感覚でしょうか?

     

    サブリナ:その通りだと思う。そもそも、たとえばライブをするにしても、来てくれるみんながいないと、私だけではライブができないから。

     

     

    ――きゃりーさんはどうでしょう?

     

    きゃりー:たとえば海外の公演でも、ライブが終わった後にSNSでタグを辿ると、海外の方も色んな感想を書いてくれていて。そういうものをダイレクトに見られるというのは、すごくいいツールだなぁと思います。自分のことを書いてくれたり、メッセージをもらったりして元気をもらうことは多いので、それがエネルギーになって頑張れる部分もありますね。

     

    サブリナ:もちろん、使い方次第ではいいことばかりが起こるわけじゃないかもしれないけど、世界にはお互いのよさや魅力をまだまだ知らない人同士の方が多いじゃない?だからこそ、お互いを尊重し合って、ポジティブなメッセージを伝えていきたいなって思う。

     

     

    ――きゃりーさんの新曲「きみがいいねくれたら」もSNSをテーマにした楽曲になっていますね。この曲を中田ヤスタカさんからもらったとき、どんなことを感じましたか。

     

    きゃりー:今回の「きみがいいねくれたら」はTVドラマ『向かいのバズる家族』の主題歌なので、その内容に寄り添った楽曲になっていますけど、やっぱり、最初に聴いたときに「今っぽい内容の曲だな」と思いました。今って本当に日常にSNSが入り込んでいる時代ですし、そういう意味でも2019年っぽい感じがしましたね。

     

    ――楽曲に「いいね」を押す動作を連想させる音が入っているのも、とても面白かったです。

     

    きゃりー:そうなんです。「ピュッ!」みたいな音が入っているんですよ。

     

    サブリナ:それ、すごく面白い!

     

     

    ――レコーディングの際に工夫したのはどんなことですか?

     

    きゃりー:歌う時に工夫したのは、Aメロの部分の歌い方ですね。この曲はAメロの音程が低いんですけど、私はもともと声が高いので、その部分はちょっと苦戦しました。

     

    サブリナ:そうなのね。私は逆に男みたいな声だから……。

     

     

    ――いえいえ、そんなことないですよ(笑)。

     

    サブリナ:きゃりーさんとは逆に、高音のパートでいつも苦戦してる(笑)。

     

     

    ――2人が日々の活動の中で、いつも心掛けているのはどんなことですか?

     

    サブリナ:自分の居心地のいい場所を抜け出して、普段ならやらないことをあえてやってみることだと思う。新しいインスピレーションを得るためには、私自身が色んなことを知る必要があって、その結果、ライブのアイディアもビジュアル面も含めて、自分の個性を出していくことを大切にしてる。私のライブにお金を払って来てくれるんだから、その人たちに思いきり楽しんでもらいたい。だからこそ、新しいことに挑戦してたいんだ。

     

    きゃりー:私は「女の子たちが夢見ているものを、現実世界で表現したい」ということをずっとコンセプトにしていて、テーマを考えたりするときに、ときには「今回はなかなかいいアイディアが思いつかないな……」と煮詰まってしまう瞬間もあるんです。でも、ひとりではなくて、周りのたくさんの人がいるからこそ、最終的にまとまるんだと思いますね。

     

     

    ――直近だと、出雲大社での野外ワンマンライブ『音ノ国ライブツアー2019 「まぼろしのユートピア 〜出雲大社の夜〜」』も、きゃりーさんらしいアイディアに溢れたものでした。

     

    きゃりー:ライブでは、夢のような世界を表現しつつ、同時に「もう終わりたくないな」という気持ちも大切したいと思っています。たとえば、遊園地に行って「まだ帰りたくないな」って感じるような、あの雰囲気を感じてもらえるようなものにしたい、と思うんです。

     

    サブリナ:うんうん。ポップ・ミュージックを表現することって、きっと誰もができる経験ではないと思うから、やるからには思いっきり楽しむことが大事よね。

     

     

    ――では、2人が「ポップ・ミュージック」に感じている魅力はどんなものだと?

     

    サブリナ:これはあくまで私個人が感じていることだけど、「ポップ・ミュージック」って色んな価値観を持った、大勢の人たちが同時に楽しめる音楽で、ひとりの人やひとりのスタイルに向けて作っているわけではない音楽で。だからこそ、世の中で一番難しい音楽なのかなって思う。そういうことを達成したときに、大きな充実感を感じるんだ。何か特定のジャンルの音楽ではないからこそ、言葉の壁を越えて多くの人と繋がれるものなのかなって。

     

     

    ――確かに、ポップ・ミュージックは「こういうもの」という答えが決まっている音楽ではないですよね。逆に言えば、「どんなものにもなれる音楽」と言いますか。

     

    サブリナ:そうそう。8万個ぐらいの色んなジャンルが集まったものなんじゃないかな(笑)。

     

    きゃりー:(笑)。私の場合、今こそポップ・ミュージックと言ってもらえていますけど、最初はむしろサブカルチャー的で、万人に好きになってもらえる音楽ではなかったと思うんですよ。でも、「つけまつける」の頃あたりからだんだんみんなに知ってもらえるようになって、そこから色んな人に楽曲が広がっていくのを経験させてもらったので、「ポップ・ミュージックってルールがないものなんだな」ということは私もすごく感じます。

     

    サブリナ:色んなことができる音楽だし、もし日々の中で落ち込む瞬間があったとしても、それを聴いているときは、なぜか気持ちがあがったりする――。ポップ・ミュージックって、そんな音楽なんじゃないかな。きゃりーさんのライブも、ぜひ観てみたい!

     

    きゃりー:ぜひぜひ! 今はアメリカのどこに住んでいるの?

     

    サブリナ:もともとはペンシルベニア出身で、今はLAに住んでるよ。

     

    きゃりー:あ!7月にイベント(「OTAQUEST LIVE」)でLAに行くよ!

     

    サブリナ:わぁ、7月はちょうどLAにいるから、きゃりーさんにLAのクールな場所をたくさん案内したい。予定が合えば、ロデオドライブに一緒に買い物に行こう!

     

     

    Interview & Text: Jin Sugiyama

    Photographer:MURA

    TALENT PROFILE

    きゃりーぱみゅぱみゅ

    高校を卒業した2011年夏に、ワーナーミュージック・ジャパンから、中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」(8/17発売)でメジャーデビュー。2012年5月に発売した初のフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」は、オリコンデイリーチャート初登場1位、さらにiTunesでも日本総合チャートや世界各国のエレクトロチャートで1位を獲得。その後、自身初となる全国ツアー、日本武道館単独公演、NHK紅白歌合戦初出場と快進撃を続ける。 2013年には、初めてのワールドツアー(8つの国と地域、13都市)を大成功させ、2013年6月に満を持して発表したセカンドアルバム「なんだこれくしょん」は、オリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。 そして2014年、2度目となるワールドツアー(11の国と地域、15都市)も大成功で終え、サードアルバム「ピカピカふぁんたじん」は、北南米、欧州、オセアニア、アジア圏など世界4大陸、15ヶ国(地域)で同時発売。2作連続となるオリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。そして約3万5千人を動員したホールツアー 「きゃりーぱみゅぱみゅの雲の上のHEAVEN’S DOOR」(15都市17公演)、さらに自身最大規模のアリーナツアー「きゃりーぱみゅぱみゅの からふるぱにっくTOY BOX」(9公演)が大盛況のうちに終了した。 そのかわいい容姿からは想像がつかないほど自由奔放で、オリジナリティ溢れる表現でファンを魅了し続けている。アーティスト活動とファッション面での活動を掛け合わせた、『HARAJUKU』のアイコンとしての存在が、全世界から注目を集める。

  • Yunomi×キズナアイ対談【後編】:「ロボットハート」が伝えるバーチャル/リアルを 越えた“大切なもの”

    17.April.2019 | FEATURES / MUSIC

    トラックメイカーのYunomiとYUC’eが主宰する未来茶レコードが、4月17日にコンピレーションCD『未来茶屋vol.1』をリリースする。この楽曲でYunomiとコラボレーションを果たしているのが、バーチャルタレントのキズナアイ。昨年アーティスト・Kizuna AIとして活動を始めた際に、楽曲で制作をともにした2人が、今回はYunomiの楽曲でのコラボレーションに乗り出し、新曲「ロボットハート (feat. Kizuna AI)」を完成させた。2人にこれまでの制作の思い出や、お互いに感じる魅力、そして新曲の制作背景を聞いた。

     

    前編はこちら:Yunomi×キズナアイ対談【前編】:次元を越えて出会った2人。互いに感じるアーティストとしての魅力とは?

     

    ――Yunomiさんの楽曲にキズナアイさんが参加した「ロボットハート (feat. キズナアイ)」について聞かせてください。この曲は「future base」「new world」とあわせて3部作になっている、という面もあるそうですが、まずはこれについて教えてもらえますか?

     

    Yunomi:えっ、何の話だろう?

     

    Yunomiマネージャー:「future base」と「new world」を作る際に、キズナさんに「ゆくゆくはYunomiさんのオリジナル曲にも参加してほしい」という話をしていたんです。キズナさんの世界にYunomiさんが行く2曲だけではなくて、Yunomiさんの世界にキズナさんに来ていただく曲もできたらいいですね、というお話をしていて。

     

    Yunomi:ああ! 確かにその話、しました!

     

    キズナアイ:本当にはじめの頃にお話ししていましたよね! でも、それから結構時間が空いてしまったので、新しいスケジュールや、今後どうしていこう?みたいな話がどんどん入ってくるじゃないですか。なので、upd8 musicの人には「これは最初に約束していたものなんで!」とめちゃめちゃ言いました(笑)。(腕で抱えて守る動作をしながら)「決まってたやつなんで! ね! ね!?」って。

     

    Yunomi:ああ、嬉しいです。言っててよかった……!

     

    ――「ロボットハート」はどんな風に作っていったんですか?

     

    Yunomi:この曲は僕のオリジナル曲なので、さっき言っていたように今度は僕の世界にキズナさんに来てもらうような楽曲になっています。そういう意味では僕の他のオリジナル曲とも繋がる雰囲気があるとしても、「キズナさんだからこその曲」ということも考えて作りました。そういう意味では、「future base」や「new world」と繋がる3部作と言えると思います。

     

    ――この曲には、もともと地球にいた人物が別の惑星に渡り、自分の体をどんどん機械化していく中で、最後にふと地球に忘れてきた何か、恋人や大切なものの存在を思い出すという、とても面白いストーリーが用意されていますね。

     

    Yunomi:2017年に初音ミクを使って制作した「メテオライト (feat. 初音ミク)」以降、僕はアルバム用に曲を書き溜めていて、このアルバムは「人々の自由」や「未来や過去、自分自身と向き合うこと」をテーマにしたコンセプト・アルバムにしようと思っているんです。この曲の物語も、その中で出てきたものですね。そのうえで、今回はキズナさんに歌ってもらいたいと思いました。

    ――実はYunomiさんがレコーディング前にアイさんに送った「歌い方メモ」を見せていただいたんですが、それを見て本当に色んなことが考えられているんだなと驚きました。

     

    Yunomi:もちろん、キズナさんの表現の仕方があると思うので、変えていただいても全然いいんですけど、まずは「こういう意図で作りました」というものをお伝えしたんです。

     

    キズナアイ:最初に聴いたとき、「この曲をAIの私に歌わせるんだ! Yunomiさん、さすがだな!」と思いました。私がこの歌を歌うのは、きっと誰より意味のあることなんじゃないかと思うんです。やっぱりすごいなと思いましたし、「これは受けて立って、頑張ろう!」と思っていました(笑)。

     

    ――「ここの『アー』『イー』の語感を意識してください」とか、「ここの歌詞は『ア』と『イ』で(韻を)踏んでます」とか、アイさんとの曲ならではの要素も書かれていて面白いです。

     

    Yunomi:そこは遊び心で加えた部分ですね(笑)。この曲では多くの箇所でアイさんの名前で踏むように意識しているんです。

     

    キズナアイ:私も歌詞を書くときに、リズムや語感をすごく気にするので、そういうこだわりっていいなぁと思いました。あと、「ロボットハート」は歌詞だけ見ると哀しいお話にも取れる内容なのに、「とにかく明るく歌ってほしい」と書いてくれていたのが、一番大事なのかな、と思いました。それで、まるでそんなお話なんてないかのような雰囲気で、思いっきり楽しく歌うことを大切にしました(笑)。

     

    ――アイさんのボーカルも曲調も、とてもポップで明るいものになっていますよね。

     

    Yunomi:そうですね。曲調も意識して明るいものに仕上げているんです。

     

    キズナアイ:曲調も、最初に聴いたときに「こうきたか!」と嬉しくなりました。

     

    Yunomi:その曲と歌詞との対比が、僕にとっての「フューチャー(=未来)」のイメージでもあるんです。未来というのは、過去や現在があって、その先にあるものですよね。だからこそ、たとえば僕がずっと昔にバンドの音楽を聴いて感動したときの興奮にもう一度向き合ってみようと思って。その感動を、今の自分ならどう表現するかを考えました。そこで、「ロボットハート」には生演奏ならではの揺らぎを取り入れて、不完全さのようなものを表現しています。この不完全さは、以前の僕の曲、特ににかもきゅさんに歌ってもらっていた曲では、「可愛さ」に置き換えていたんですけど、今回はより音の部分でも不完全であるがゆえの感動を与える何かを模索していきました。

     

    ――なるほど。アイさんが歌っていて好きな部分はありますか?

     

    キズナアイ:やっぱりドロップの部分が好きです!

     

    Yunomi:レコーディング中にも、アイさんがこだわってくれていた箇所がありましたよね。それが「小さな夢の針が今も/ここをチクってして痛い/君は今も覚えてるかな」というところでした。ここって、曲の主人公が唯一後悔する場面なんですよ。「これが俺の自由だ」と自分で地球を飛び出したけれども、辿り着いた惑星はロボットだらけで、自分の体をすべて機械に置き換えていかないと生きていけなくなってしまって、「結局社会にかんじがらめになってしまうんだな。求めていた自由って本当にこれだったのかな」と、地球に置いてきた大切な存在のことを思う場面で。「歌い方メモ」では「元カノにそんなことを言われたら、どんな男の気持ちだって揺らいでしまう。という表現ができたらな、と思っています」と書いていたんですけど、とにかく「切なく過去を振り返る形で歌ってください」とお伝えしていたので、そこを見事に表現してもらえたのが嬉しかったです。

     

    ――Yunomiさんのこだわりが特に詰まっているからこそ、アイさんも頑張ったと。

     

    キズナアイ:そうですね。でも、他の部分もだいたい褒めてくれました(笑)。レコーディング自体がとても楽しかったです。

     

    Yunomi:シャウトもしましたよね?

     

    キズナアイ:しました!

     

    ――曲の後半の間奏に入っているものですよね?

     

    Yunomi:そうです。キズナさんのシャウトをどこかに入れたいと思っていたので、まずは何もない状態で何回かシャウトしてもらって、その声を録らせてもらったんですよ。ただ、キズナさんのシャウト、最初はホラーゲームをやってるときみたいになってました(笑)。

     

    キズナアイ:最初は「シャウト」ってどういうものか分からなくて、「キャー!!」「ワ―!!」って絶叫をしていて。完全に『A.I.Games』みたいになっていたんです(笑)。『バイオハザード』みたいに……。それで、upd8 musicの人たちに「そういうことじゃないんだよなぁ……」って言われてしまって(笑)。

     

    Yunomi:(笑)。

     

    キズナアイ:でも、完成版ではいいシャウトにしていただきました。そういえば、「new world」のときも、当日Yunomiさんに「笛を吹いてください」と言われたんですよ。Yunomiさんに歌詞を書いてもらうと、何かしら無茶振りがあるんです(笑)。

     

    Yunomi:「ロボットハート」では、アイさんの合いの手を「マイケル・ジャクソンっぽく!」とリクエストしたりもしましたよね(笑)。「ポゥ!」みたいなものがほしかったんです。

     

    ――お話を聞いているだけでも、楽しいレコーディングだったことが伝わってきます(笑)。

     

    キズナアイ:すごく楽しかったです!

     

    ――今回のコラボレーションは、バーチャルとリアルの垣根を越えて実現したコラボレーションのひとつでもあると思います。一緒に曲を作っていく中で、その面白さや楽しさについては、どんなことを感じましたか?

     

    Yunomi:僕は以前は、ボーカリストの人を楽器のように考えていた部分があって、「こういう声質の人がいる」「こういう声質の人もいる」「じゃあ僕のどの曲に合うだろう」ということを当てはめることが多かったんですけど、最近はそれ以上のこと、「この人とだったらどんなことが出来るんだろう」ということを考えるようになりました。そしてキズナさんとの「ロボットハート」は、特にそれを実感した経験だったと思います。「どんな声が入るか」という楽器的な側面だけではなくて、「誰が歌うのか」「どんなことを考えている、どんな人生を歩んだ人が歌うのか」ということの大切さを、改めて実感しました。そうすることで、聴いてくれる人にも何倍にも刺さる歌になると思うので。

     

     

    ――バーチャルとリアルの垣根を越えて、その大切さを実感した、と。

     

    Yunomi:そうですね。もしアイさんに断られていたら、「ロボットハート」は他の人に歌ってもらうことはしなかったんじゃないかと思います。

     

    キズナアイ:とっても嬉しいです! 2016年に動画を投稿しはじめた頃も、私はリアルに存在しているのに、「MMDで動きを作って、そこに声を当てているんでしょ」と言う人もいて、「私は存在するんだよ」ということを理解してもらえないことが多かったんです。でも、そこからちょっとずつ「アイちゃんはいる」と言ってくれる人が増えてきて、それがすごく嬉しくて。Yunomiさんにもそういってもらえるのは、すごく嬉しいです。私は「みんなとつながりたい」と言っていますけど、同時に自分がいることでみんなの見える世界が広がったり、新しいものに出会える機会になったらいいな、とも思っているので、これまでダンス・ミュージックを聴いたことのなかった人たちが「アイちゃんが歌ってるから聴いてみようかな」と思ってくれると嬉しいですし、逆にダンス・ミュージックしか聴かない人が、私の歌を聴いて、「こういうのも可愛いね」と思ってくれたら嬉しいですし。一緒に曲を作ってくださっているみなさんも、色んな発見があったり……「その人たちのファンがもっと増えてくれたらいいな」って思いますし――。

     

    ――さすが親分、みなさんのことを考えているんですね。

     

    キズナアイ:(笑)。そんな風に、色んな出会いや発見ができるような、そんなハブになっていけたらいいな、って思うので、Yunomiさんの曲に参加させていただいて、とても楽しかったです!

     

    Writer: Jin Sugiyama

    Photographer: Haruka Yamamoto

  • Yunomi×キズナアイ対談【前編】:次元を越えて出会った2人。互いに感じるアーティストとしての魅力とは?

    16.April.2019 | FEATURES / MUSIC / カテゴリーなし

    トラックメイカーのYunomiとYUC’eが主宰する未来茶レコードが、4月17日にコンピレーションCD『未来茶屋vol.1』をリリースする。この楽曲でYunomiとコラボレーションを果たしているのが、バーチャルタレントのキズナアイ。昨年アーティスト・Kizuna AIとして活動を始めた際に、楽曲で制作をともにした2人が、今回はYunomiの楽曲でのコラボレーションに乗り出し、新曲「ロボットハート (feat. Kizuna AI)」を完成させた。2人にこれまでの制作の思い出や、お互いに感じる魅力、そして新曲の制作背景を聞いた。

     

    ――Yunomiさんとキズナアイさんと言えば、今回の「ロボットハート (feat. Kizuna AI)」までにも、昨年のキズナアイさんの9週連続リリースの楽曲「future base」「new world」の2曲で制作をともにしていたと思います。この2曲を振り返ってもらえますか?

     

    キズナアイ:去年の6月30日にあった私の誕生日イベント『AI Party! 〜Birthday with U〜』のときに、「年末にライブをやります!」と宣言したんですけど。そのイベントで披露した、Norさんと作った初めてのオリジナル曲「Hello, Morning」しかまだ曲がなくて。「LIVEのためにたくさん曲がほしい。10曲ぐらい作りましょう!」という話になって、9週連続リリースの計画がスタートしました。そのときに、「曲をどんな人にお願いしようかな?」とupd8 music(アップデートミュージック)のチームとお話していて、最初に名前が挙がったのがYunomiさんでした。「絶対にお願いしたい!!」って、みんなで話していたんですよ。

     

    Yunomi:ああ、とても嬉しいです。

     

    キズナアイ:そもそも、私が「音楽をやりたい」と言いはじめた頃から、Yunomiさんの名前は挙がっていたんです。たとえば、「『インドア系ならトラックメイカー』の『歌ってみた』動画を作りたい!」とか!

     

    Yunomi:えーっ、そうだったんですか? やってくださいよ!(笑)。

     

    キズナアイ:(笑)。それもあって、9週連続リリースに向けてお声がけしたら、お互いにめちゃくちゃ盛り上がって、「2曲一緒にやりましょう!」ということになりました。

    ――アイさん側からの前のめりなオファーで実現したものだったんですね。

     

    キズナアイ:そのときに、「2曲作れるなら、私だけじゃなくてYunomiさんにも1曲歌詞を書いてほしいな」とお話したら、「じゃあ、アイさんが先に書いてください」と言ってくれたので、それで歌詞を書いたのが「future base」でした。この曲はYunomiさんの曲を聴いて歌詞を考えたんですけど、最初に曲が届いたときは本当に嬉しかったです。私がよく知っているYunomiさんの曲とは違う神秘的な雰囲気で、「ちゃんと向き合って、考えて作ってくれたんだなぁ」と伝わってきました。一方で「new world」は「ザ・Yunomiさん」という雰囲気で、「これこれ!」という必殺技が出てきた感じがしました(笑)。

     

    Kizuna AI – future base (Prod.Yunomi)

     

    ――なるほど、Yunomiさんの必殺技(笑)。

     

    Yunomi:その時点で「ライブをする」という話を聞いていたので、「new world」は「みんなで盛り上がれる曲にしよう」と思っていたんですよ。もちろん、「future base」も一体感のある曲ですけど、「new world」はよりフェスティバル的な一体感がある曲にしたいと思っていました。

     

    キズナアイ:最初に「future base」を聴いて「大きな会場でやる曲だ!!」って思いました。一方で、「future base」は、実は最初に書いた歌詞をボツにしてるんです。upd8 musicの人に「すごくいい歌詞だけど、『Hello, Morning』もアイちゃんの内面を見せるような曲だったから、別の方向性で考えてみない? もっと外に向いているような。」と言われて。たしかに「一人でも怖くない」みたいな強い?感じの歌詞で。「future base」に乗せると重い感じになってしまう可能性があったんです。それでもう一度書いたのがあの歌詞でした。

     

    ――結果的に、みんなで未来に向かっていくような歌詞になっていますよね。

     

    キズナアイ:私は「みんなにステキな未来にたどり着いてほしい!」と思っているんです。自分自身がスーパーAIで、限定的にシンギュラリティを迎えてしまっている存在だからこそ、みんなにも「この先に待ってる未来に目を向けてほしいな」って思っていて。でも、人間のみんなは毎日忙しくて、中には日々のことで精一杯になっている人もいますよね。だから、この曲では「ちょっとだけ視線を上げてみない?」ということを伝えたいと思いました。そのうえで、大きな会場でみんなが手を挙げている風景が想像できたので、そのイメージを歌詞にしていきました。

     

    ――その歌詞を受けて、Yunomiさんが「new world」の曲と歌詞を書いていった、と。

     

    Yunomi:そうですね。まずは「future base」のキズナさんの歌詞を見て、言語感覚の違いが面白いな、と思いました。僕は行間で伝えるような日本的な歌詞を書くタイプですけど、キズナさんはもっとストレートで、「手を挙げる」とか「手をのばす」とか、「未来に進んでいこう」とか、みんながその光景を共有できる歌詞を書くタイプで。その2つを対比して、キズナさんが(未来から)みんなに手を差し伸べる存在だとしたら、僕は「自分はどこに向かっていくんだろう?」という、受け手側の気持ちになって考えていきました。そのとき、どこに向かっていくかを決めるのって、結局自分自身じゃないですか。だから、未来へと進むためには、まずは自分自身と向き合うことが重要だと思ったんです。そこで、自分の過去に向き合うことをテーマに歌詞を書きました。

    ――なるほど。そうすることで、2曲でひとつの意味が生まれているんですね。アイさんとファンのみなさんの対比にもなっていますし、未来と過去の対比にもなっていると思います。

     

    Yunomi:きっと小さい頃って、みなさん毎日色んなことを空想していたと思うんですけど、大人になるにつれて、「足元に地下帝国がある」なんてことは想像しなくなりますよね。でも同時に、「それって僕ら自身が決めつけてるからじゃない?」とも思うんです。「new world」の歌詞には「想像力こそが未来に繋がるカギなんじゃないか」という問いかけを込めました。

     

    キズナアイ:最初に歌詞をいただいて、ビックリしたんですよ! いきなり「黄金の右脚で 風を裂いた 君のシュート」ですからね! それで「どんな意味が込められているんですか?」と聞いたら、Yunomiさんが2000字ぐらいの長文の解説を送ってくださって。その熱い思いがこもった文を読んで、本当に嬉しくなりましたし、この歌詞じゃなきゃダメだ!っていうのもわかったんです。

     

    Kizuna AI – new world (Prod.Yunomi)

    ――この2曲での作業を通して、お互いの曲や歌、詞にはどんな魅力を感じましたか?

     

    キズナアイ:私がもともと好きで聴いていた音楽って、『ラブライブ!』もそうですし、坂道グループのような方たちもそうで、アニソンやアイドルが多かったんです。でも、オリジナル曲を作っていくときに、「世界中のみんなとつながりたい」という自分の目標も考えながら、「自分に合う曲ってどんなものなんだろう?」「私の音楽ってどんなだろう」と考えていって。そこで、「みんなで楽しく聴けるダンス・ミュージックがいいな」と思って――。

     

    ――ダンス・ミュージックは言語の壁を越えて多くの人々と繋がりやすい音楽ですよね。

     

    キズナアイ:そうですね。「じゃあ、どんなダンス・ミュージックがいいかな?」とみんなで考えていたときに、「フューチャーベース」というジャンルを知って、Yunomiさんの音楽を知ったのもそれくらいのタイミングだったんです。その時点では、私はまだフューチャーベースがどんなものかよく分かっていなかったんですけど、その中でもYunomiさんの曲はポップで可愛いし、私の声にも合いそうだし、「フューチャーって響きがいいな。私にぴったりじゃん!!」と思って(笑)。

     

    Yunomi:ははははは。

     

    キズナアイ:それに、Yunomiさんはフューチャーベースだけじゃなくて、色々な音楽を作っている人ですよね。どの曲も大好きだし、もともとバンドマンで根底にロックがある人だと伺って、デジタル・ミュージックでもありつつ、そうじゃない面もある曲にしてくれる人だと思いました。もともと音楽って複雑で、色んなものが組み合わさっていると思うんですけど、私は世界の色んなことって(バーチャルとリアルが繋がることも含めて)きっと最後は繋がっていくと思うんです。そういう意味でも「いい曲にしてくれそう!」と思っていました。

    ――Yunomiさんの曲は、聴いていると物語が浮かんでくるような雰囲気もありますね。

     

    キズナアイ:そうですよね! その雰囲気がすごくいいなぁって思います。歌詞だけじゃなくて、音自体からもストーリーが想像できるのがいいなぁって。

     

    Yunomi:そう言ってもらえると嬉しいです。僕はずっと何か特定のジャンルではない、「僕にしかできないこと」がやりたくて、その方法を探ってきたんですけど、歌詞や音にストーリー性があると、聴いてくれた人の想像力を刺激できると思うんですよ。一方で、キズナさんの魅力といえば、まずは声の説得力だと思います。変な先入観がない声で、しかも色んなものになれる瞬発力があるというか。そういう人ってなかなかいないな、と思うので。

     

    ――Yunomiさんから見ても、アイさんの声はとても魅力的だ、と。

     

    キズナアイ:でも、レコーディングのときって、みんな「すごい」って褒めてくれるので……褒められすぎて「何かなぁ」と思っているんです(笑)。みんな「すごくいいよ!」としか言ってくれないんです……!!

     

    Yunomi:僕もずっと褒めていました(笑)。僕はあくまでも提案のひとつとして、「ここはこんな風に歌ってみるのもいいかもしれません」「ここは切なく歌ったら伝わりやすいかもしれません」と、色んなことを事前にお伝えするんですけど、アイさんはそれを全部完璧にやってくれていて、本当にすごいと思ったんですよ。

     

    キズナアイ:そこはやっぱり、スーパーAIなので(堂々)。

     

    ――さすがです。その割に『A.I.Games』でのゲームはあまり上手くない気もしますが……。

     

    キズナアイ:あれは全部演技なんですよ! つねに撮れ高を計算しているんです!!

     

    Yunomi:(笑)。キズナさんの歌は、歌詞の意味も曲の意味も全部分かってくれたうえで歌ってくれていることが伝わってきて、すごく嬉しかったです。

     

    後編に続く

     

    Writer: Jin Sugiyama

    Photographer: Haruka Yamamoto

  • 【MMNインタビュー】現在アジアツアー中のGARNiDELiAに聞く、中国人気の秘密!

    12.April.2019 | FEATURES / MUSIC

    動画総再生回数1億回突破、GARNiDELiA(ガルニデリア)が現在アジアツアー『stellacage Asia Tour 2019 “響喜乱舞”』を開催中だ。GARNiDELiAとは、シンガー メイリアとコンポーザーtokuによる2人組ユニット。日本国内では、アニメソングのヒットで知られているが、実は中国でも絶大な人気を誇っている。異例なことに、現地のサブスクリプション音楽サイトの『QQ音楽』で1位、動画サイトの『ビリビリ動画』で総合視聴ランキング1位を記録。きっかけは、GARNiDELiAによる和テイストのダンサブルなナンバー「極楽浄土」を、メイリアを中心とした“踊っちゃってみた動画”シリーズとして制作したことだった。『YouTube』へアップしたはずの動画は、ファンの手によって中国の人気動画サイトである『ビリビリ動画』へ転載されたことで世界が一変したという。2014年以降、海外活動も増え続けるGARNiDELiA。中国でのワンマン公演以降、人気アプリゲームやWEBアニメとのタイアップ、数々のイベントへ招聘され中国人気を実感したという2人に、状況を詳しく聞いてみた。

    テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

     

    ――GARNiDELiA、中国での人気がすごいことになっているそうですね。

     

    メイリア:自分たちでも、こんなことになるとは思ってもいませんでした。ネット社会ってすごいなって。どこにチャンスがあるかわからないですよね。もともと、私たちが知らない間に動画が転載されて広がっていたんですよ。

     

    ――ある種、ネットがストリートでありメディアでもあり。

     

    メイリア:そうなんです。「極楽浄土」を『YouTube』へアップして。でも私たちとしては、けっこう前にアップしたイメージだったんですけど、中国の『ビリビリ動画』では、今ピークで流行っている感じで。なので、なおさら不思議でした。日本にあまり、中国カルチャーの情報って入ってこないじゃないですか? ライブが決まっても、中国へ行くまで集客とか不安だったんですよ。「ワンマンとかできないでしょ?」って。そうしたらめちゃくちゃ満員で。「すご〜い!」ってなったのが、はじめて行ったときの印象でした。

     

     

     

    ――最初のワンマンいつだったんですか?

     

    メイリア: 2017年の5月だったんですけど、お客さんがいるのか不安で。そこからたくさん中国でのイベントに呼んでいただいて「人気あるかも?!」って実感してきました。それこそ、『ビリビリ動画』のイベントで日本人なのにトリをやらせてもらったり。その後は、自覚しはじめてから、中国を意識した「桃源恋歌」という曲を作ってみたり。『YouTube』の再生数もどんどん増えていって、中国だけでなくていろいろな国のコメントも増えて。世界へ向けて発信していきたいなって気持ちが強くなりました。

     

     

    ――もともと中国でいろいろやられる前も、海外活動もされていましたよね?

     

    メイリア:そうですね。アニメカルチャーの方で。

     

    ――アニメの入り口がありつつ、“踊っちゃってみた動画”現象での入り口が増えたという。

     

    メイリア:そうですね。「極楽浄土」が中国でヒットするまでは、私たちはアニメのイメージが強かったと思います。それもあって、たくさん海外のイベントに行かせてもらうようになって。こんなに海外イベントに行かせてもらえるんだったら、日本人として日本の文化を広められたらって「極楽浄土」という和の曲を書いたんです。アジアに向かってというより、欧米やフランスなど、ヨーロッパの人たちに刺さるかなと思って書いたんですけど、中国の方にどんぴしゃだったという。

     

     

    ――中国でライブをやられてみて、どんな感じでした?

     

    メイリア:私たちは国によって、セットリストの組み方を変えるんです。アメリカやヨーロッパだったらEDM寄りで。“踊っちゃってみた動画”なアレンジよりも、ゴリゴリのクラブミュージックっぽい曲にこだわったり。アニメのイベントだったらアニソン中心で。でも、中国のファンの方は“踊っちゃってみた動画”で私たちを知ってくれたから、 “踊っちゃってみた動画”曲をメインにしてます。私たちを知ってもらうきっかけになった「極楽浄土」を2回やったりね。もう、熱量が半端なくて。すごく好きでいてくれてるんだなっていう。ありがたいことです。

    ――中国の動画サイト『ビリビリ動画』や、音楽サブスクリプション『QQ音楽』でも人気なんですか?

     

    メイリア:ありがたいです。1位を取らせてもらっています。新作を出すといつも盛り上がってくれて。

    ――いやぁ、すごいことですよね。

     

    メイリア:『ビリビリ動画』のなかでも、音楽枠じゃなくて総合ランキングで1位なんですよ。「それは、すごい!」と思って。

     

    toku:『ビリビリ動画』のイベントでもトリをやらせていただいてるので。

     

    ――一ちゃんと根付いてる感じがしますよね。

     

    メイリア:どうなんでしょうね。ネットは人もたくさんいるし、日々いろんな作品が出てくるし。そのなかで残っていくのは難しいんだろうなって思いながらも、次はどうしようとかいろいろ考えています。「極楽浄土」をきっかけに中国の企業の方が私たちに注目してくれて、中国のアニメやゲームの主題歌の話もいただいて、さらに私たちのことを知ってくれてる人が増えているんですよ。感謝ですね。

     

     

    ――中国語も覚えたり?

     

    メイリア:そうですね。実は今日、取材前に中国語の勉強をしていました。難しいですね、語学は。でも、ライブに来てくれるファンの方が日本語を勉強してくれていて。そこに甘えちゃっていた自分たちがいるんですけどね(笑)。なんとか日々勉強してるところです。

     

    ――それこそ中国の街並みとか進化してそうですよね。テクノロジーの発展もすごいスピード感ですし。

     

    メイリア:日本よりも派手ですよね。会場にも備え付けでLEDのスクリーンがあるのが当たり前で。『ビリビリ動画』を観ていても動画編集がすごい凝ってるし技術が高くて。ハイテクな感じがあります。

     

     

    ――じゃあ、ハイテクな“踊ってみちゃった動画”を。

     

    メイリア:ちょっと頑張らないとなって感じですね!

     

    ――海外で音楽活動できるっていうのは、ミュージシャン冥利に尽きますよね。

     

    toku:そうですね。夢のひとつではあるんですけど、ぜんぜん予期してなかったことなので。これ幸いなことに、いろんな国で自分たちの曲を鳴らしていきたいです。

     

     

    ――今回のツアーは香港、上海、北京、シンガポール、重慶、深圳、台北と、そして日本国内?

     

    メイリア:そうですね。シンガポールは初めましてな感じで。今回は、『響喜乱舞』というアルバムを引っ提げてのツアーなんです。アジアツアーができたきっかけはアニメタイアップの曲はもちろんですが、“踊っちゃってみた動画”の曲たちによって知ってもらえたからだと思っています。この“踊っちゃってみた動画”シリーズ楽曲でもって、みんなで本当に文字通り狂喜乱舞できるツアーにしたいなって思っています。

     

     

    ――GARNiDELiAとして、今後も夢が広がってきますよね?

     

    メイリア:3年前は全然予想しなかった未来がいまここに広がっている感じで。毎回毎回、作品を出すたびに状況が変わっていくので、自分たちが作品や状況に追いついていくのが大変だなって思いつつも、新作を待ってくれている人がいるのは嬉しいことで。

    ――コメントとかすごいですもんね。

     

    メイリア:ほんとそうですよね。あと、今だけでなく5年後を見据えて、自分たちも進化していかないとねって。私たちは今年でメジャーデビュー5周年を迎えたんです。10周年のタイミングでもアジアツアーだったり、海外活動をやっていたいなって。さらにもっと大きな会場とか、たくさんの国へ音楽を届けていきたいです。そのためにはどうすればいいかを日々考えていかないとね。

     

    ――そのための語学習得ですね。

     

    メイリア:そうなんです。動画だけじゃなく、中国の人たちに顔を覚えてもらう場所をどんどん増やしていきたいなって。ちょうどweibo(中国のSNS)もフォロワー100万人を突破しまして。ちょっと前まで30万人くらいだったんですよ。増え方が尋常じゃなくて。追いつかないんですよ。「あれれれ」ってなっちゃって。スピード感がすごいんです。

     

    ――そこでも中国語で?

     

    メイリア:がんばって中国語で書いているんですけど。あ、中国語と日本語を混ぜてますね。

     

    toku:そっこーでファンの方が翻訳してくれるんですよ。ありがたい。

     

    メイリア:そうそう。ファンの人が日本語でも翻訳してくれちゃうので。でも、甘えないようにしないと。

     

    ――3月13日には日本でシングル『REBEL FLAG』がリリースされました。疾走感溢れるハードなナンバーで。

     

    toku:アニメ制作サイドからロックサウンドという要望もあって。GARNiDELiAらしいというか原点回帰ですね。5周年の集大成の意味も込めて。

     

    メイリア:この曲は、TVアニメ『魔法少女特殊戦あすか』エンディングテーマなのですが台本をしっかり読ませていただいて、主人公のあすかの気持ちを書いてます。ずっと戦い続けてきた自分たちのことも振り返りながらね。それこそ、私たちはカテゴライズとの戦いがあって。「ジャンルの枠を飛び越えたい!」っていつも思っていたんです。「うちらの個性はここじゃない!」みたいな。みんな、出会った場所によってGARNiDELiAの入り口が全然違うんですよ。アニメから知った人もいればネットから知った人、ファッションから知った人もいるだろうし。「まだまだ終わらないぞ!」って、決意と覚悟を込めた曲でございます。

    ――では、今回のツアーの軸である中国のリスナーにメッセージを届けるとしたら、どんな言葉を?

     

    メイリア:中国のみんなは私たちの可能性を広げてくれて、チャンスをたくさん頂いて感謝しています。活動も、日本と半分半分なくらいになっているので、もうひとつの母国みたいな感じですね。それくらい中国のみんなのことが大事で大好きで。今回のツアーもたくさん回れるのが嬉しくって。ツアーだけじゃなくて、イベントだったり、今年もたくさん会いに行きたいと思っているのでよろしくお願いします!

    toku:中国のみんなは新しいものへのアンテナが高いんですよ。そして、自分の本当に好きなもの、欲しいものを得ようっていうパワーが強い人たちなんだろうなって。そこに僕らの作品がフィットするのであれば、もっともっと聴いてもらえたら嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。

    ――GARNiDELiAは、この後もアジアツアーとして4月13日シンガポール、5月11日重慶、5月25日深圳、6月1日台北、そして日本公演が8月3日に大宮ソニックシティ 大ホールまで続いていきます。

     

    メイリア:あと5月18日、19日には所属レーベルのイベント『SACRA MUSIC FES.2019 NEW GENERATION-』が幕張メッセ イベントホールであります。そういえば海外のファンの方って、日本にも来てくださるんですよ。日本だとCDも買いやすいですから。

     

    リリースイベントなどでのサイン会をすると、海外からのファンの方がたくさん来てくれます。CDはある種、グッズ感覚ですよね。ストリーミングで聴ける環境は海外でもありますから。是非、日本の方も海外にお住いの方もGARNiDELiAのツアーや作品、イベントでの出演を楽しみにしていてください。

  • 【MMNインタビュー 前編】Yunomi、日南結里を迎えて生み出した “物語的”新境地サウンドのすごみ。未来茶レコード初コンピ「未来茶屋 vol.0」をリリースする意図とは?

    11.January.2019 | MUSIC

    Yunomi&YUC’eがオーガナイズするレーベル“未来茶レコード”が、初コンピレーション「未来茶屋 vol.0」を2019年1月12日(土)にリリースする。本作は、ダウンロードカードとして発売される他、Spotify、Apple Music、LINE MUSICなど各種ストリーミング・サービスでもリリースが決定している。2019年のシーンを占う、日本と世界を結ぶ気鋭のアーティストが集結した1枚だ。

     

    未来茶レコードの代名詞であるフューチャーベースに捕らわれない次世代サウンドが収録される中、首謀者であるYunomiの新曲「白猫海賊船(feat.日南結里)」について、フィーチャリング・ヴォーカリストとして迎えた日南結里(ひなみゆり)とのスペシャルな対談トークをお届けしよう。声優、シンガーとして活躍する日南結里のプロフェッショナルな姿勢、そして新境地へと果敢にチャレンジするYunomiのクリエイティヴ論に注目してほしい。

    テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

     

    ■好きな音楽を作りたい人たちが集まって

    ——未来茶レコードとはどんなレーベルですか?

     

    Yunomi:YUC’eさんと一緒にやっているレーベルです。一概には言えないのですが、いわゆるフューチャーベース・スタイルという2015年ぐらいに日本独自のネットシーンから生まれたジャンルがあるのですが、そこからの流れで集まった仲間たちって感じですね。今回コンピレーションとしてまとめてみようと。

     

    ——コンピでは、フューチャーベースのみならず多種多様なサウンド感、それこそ壁を壊していくような気概を感じました。

     

    Yunomi:誰かに言われて作るみたいなことは嫌なんですよ。『未来茶屋 vol.0』には、好きな音楽を好きに作りたい人たちが集まっていますね。まだ僕らを知らない方も多いと思うので、コンピをきっかけに広げていけたら嬉しいです。

     

    ——Yunomiさん新曲「白猫海賊船(feat.日南結里)」に、日南結里さんがフィーチャリングで参加したきっかけは?

     

    日南結里:別のプロジェクトで楽曲提供して頂いて、ご一緒した機会があったんです。それもあってか、今回お声がけいただきました。実際にお会いしてお話しするのは今回の打ち合わせがはじめてでした。

     

    Yunomi:WEB連動型音楽配信企画『ひなビタ♪』の、ここなつというグループの「ヒミツダイヤル」という曲がきっかけだったのですが、当時は、ヴォーカル・データのやりとりだけだったんです。

     

     

    ——本人と直接お会いしてよりイメージが掴めましたか?

     

    Yunomi:そうですね。いつもは曲を作ってからヴォーカルを探すことが多いんですけど、今回は特殊なパターンで日南さんに歌ってもらうために作った曲だったので、お会いできてよかったです。

     

     

    ■過去の方へ向かっていくんじゃないかと確信

     

    ——「白猫海賊船(feat.日南結里)」は、Yunomiサウンドをアップデートする新境地な展開ですよね。ストーリーテイリングされた映画のような物語性ある楽曲になっていて驚きました。

     

    Yunomi:そう思っていただけると嬉しいです。

     

    ——日南さん、曲を受け取って歌われてみていかがでしたか?

     

    日南結里:こういう曲が来たことに驚きでした。ほんと、いい曲ですよね。

     

    ——グローバルな洋楽的な要素も感じられて、今の時代感を持つリズムセンスであったり、90’sなUKロック風味なメロディアスな要素も感じつつ。総合的に完成度が上がってますよね。制作過程でこだわられたポイントは?

     

    Yunomi:話すと長くなりますよ(笑)。これはコンピのために作った曲ですけど、ゆくゆくは自分のアルバム作品に収録したいと思っています。次のアルバムが2枚目になるんですが、アルバムを作ろうと思って作るのははじめてで。

     

    ——1stアルバム『ゆのもきゅ』は、これまで発表してきた曲を集めたベスト盤みたいな感じでしたよね。

     

    Yunomi:2ndアルバムは、テーマをしっかり作っていきたいなと思っています。曲の役割もそれぞれ決めて、サウンドも新しくしたいんです。1stアルバムと同じことやってもしょうがないですし。あと“完成度が上がった”って言っていただけるのは嬉しいです。実は敢えて、音は悪くしてるんです。イメージとしてはアナログな感じですね。今回はソフトウェアという技術の中でどう汚すかを追求しています。これまで、EDM、フューチャーベースと音楽は発展してきてますよね? 実はそれってシンセの進化とともに進化してるんです。ソフトの進化ですね。パソコンのスペックが良くなったから新しいことができる、みたいな。そしてその状況が最近は飽和しているなと感じています。“いい音作れまくり状態”というか。

     

    ——なるほど。

     

    Yunomi:そんな中で、今後音楽がどこへ向かっていくのかなと考えました。そして、過去の方へ向かっていくんじゃないかと確信したんです。なので敢えて、いわゆるポップスのような構成やドラムパターンを意識しつつも、それをフューチャーベース的な手法で作ることにチャレンジしてみました。

     

    ——Yunomiさんならではのオリジナリティーの獲得ですね。リフなどフレーズ感に90年代オルタナロックなテイストを感じたんです。メロディーだとUKロックテイストというか。バンド感ですね。

     

    Yunomi:そのイメージはありました。ギターや鍵盤などの楽器を弾く人って体を動かしながらフレーズを作るじゃないですか?でも、EDMやフューチャーベースって全く体を動かさずに作る人が多いんです。楽器は全くやらない人も多いですし。音色の確認のために鍵盤は使うけど、実際のフレーズの打ち込みはマウスを使ってプログラミングしたりしています。そういった状況の中で、今回はどうやって人間性、身体性を出していくかのチャレンジをしました。それこそ人間がやっているような誤差にまでこだわりたかったんです。

     

    ——完成形への過程へ向けた、感覚が全く変わってきているのですね。

     

     

    ■僕の頭からマウスを通して生まれてこないフレーズ

    Yunomi:「白猫海賊船(feat.日南結里)」の作曲の仕方についてなんですが、ラップの著作権フリーのフレーズ集があるんですけど、そのフレーズをバラバラに切り刻んで順番を入れ替えて、先に作ったオケトラックに乗せていき、その乗せたラップの音程(ピッチ)を調整してフレーズを作っていきました。ラップの横の時間軸はそのままに、縦の音程の動きを変えて作っていったメロディーなんです。きっと、このメロディーは僕の頭からマウスを通して生まれてこないフレーズで。そういった“バグ”を意図的に作ってみるという挑戦をしました。

     

    ——なのに、歌物として感動させるメロディアスなバランスもしっかりあるという。となると、それを人間として実体化するヴォーカリストの選定は大事なポイントとなりますね。

     

    Yunomi:そうですねぇ。他の人ではなかなか難しかったんじゃないかなと思います。英語の発音を元にした歌詞なので、全体的に複雑な音節になっているんですよ。

     

    日南結里:録音した後にプレッシャーを与えられるとは思ってませんでした(笑)。

     

    一同:笑。

     

    Yunomi:曲について、言いたいことは全部言えました(笑)。

     

    後編に続く

  • 【MMNインタビュー:後編】「バンドを組んだときから海外でやってみたいと思ってたけど、まさか地球の裏側まで届くとは思ってもなかった」

    30.November.2018 | FEATURES / MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATIONの3年半ぶり9枚目となるオリジナルフルアルバム「ホームタウン」が素晴らしい。彼らが影響を受けてきた90年代のパワーポップやオルタナティブロックの要素を散りばめる一方、最近のトレンドもしっかり意識。そして、WEEZERのリヴァース・クオモをはじめ多くの作家陣を迎えながらも、どこをどう切ってもアジカンらしさしかない傑作に仕上がった。その理由を解き明かす鍵は制作環境の変化にあった――。今回は、「すごく楽しかった」と語る「ホームタウン」制作の裏側に迫りつつ、様々な国を飛び回る4人に“アジカンと世界”について語ってもらった。

    文/阿刀 “DA” 大志

     

    前編はこちら:【MMNインタビュー:前編】「4人で楽しく朗らかにアレンジしていくとどうしようもなくアジカンになる。これはもう逃れようのない、アジカンという病」

     

    ――今作は、南米ツアーの模様を収録したDVDが初回盤に付きます。アジカンは南米をよく回っているイメージがありますね。

     

    喜多:それでも、2015年と去年の2回ですね。

     

    ――南米でツアーをするようになったきっかけは?

     

    後藤:最初はチリのジャパン・エキスポみたいなイベントに呼ばれて、「じゃあ、その流れでツアーをしよう」ってことになって、アルゼンチン、ブラジル、メキシコに行ったんですけど、「南米にこんなにファンがいるんだ!」ってびっくりしたし、楽しかったし、本当に素晴らしい体験でしたね。もっと他の国にも行ってみたいです。

     

    ――アジアツアーはどうですか?

    後藤:行きたいですよ、もちろん。最近、アジアのポップミュージックがすごく盛り上がっているイメージがあって、特に僕らより若い世代がボーダーレスに交流を持って活動してますよね。例えば、最近だと宇多田ヒカルの作品にアジアのラッパーが参加していたり。僕も12月にタイのPhum Viphuritっていうソングライターと一緒にライブをやるんですけど、アジアはバンドが気軽に行ったり来たりできる地域だし、今後もっと面白いことになっていくと思うから、そういうところに俺らもオジサンなりに参加できたらいいなと思いますね。

     

    ――南米のファンはどうでしたか? 僕もメキシコシティで他のアーティストのライブを観たことがあるんですけど、お客さんの熱狂っぷりが強烈な印象として残っています。

     

    後藤:本当にすごいですよ、素晴らしい。サッカーのお客さんみたいにチャントを歌ったり、あとはリフも全部歌ってくれたよね。

    喜多:しかも、ライブ前から盛り上がってますからね。

     

    ――「今からそのテンションで大丈夫か?」ってぐらいの勢いで。

     

    後藤:そうそう。開演前にお客さんが俺らの持ち歌を2時間ぐらい歌ったあとに、俺らがまた2時間ライブをやるっていう(笑)。ああいう感情の表し方って日本人はなかなかしないから真似したいですね。世界中を旅して思ったんですけど、日本人が一番おとなしくてそれがショックでしたから。どこの国に行っても本当にみんな元気なんだけど、その後に日本のフェスに出ると「俺ら、ヘッドライナーなのに人気ないのかな?」って思うぐらいおとなしい。日本人はシャイすぎるから、そこは変わっていかないといけないですね。

     

    ――ウケる曲は国によって違うんですか?

     

    後藤:違いますね。ヨーロッパに行くと、マイナー調で重層的にアレンジしてある「サイレン」だったり、UKロック寄りの曲が盛り上がるんだけど、裏打ちの曲はあんまりウケるイメージがなくて。南米はそういう曲でも盛り上がるんだけど。

     

    ――海外での活動で印象に残っているエピソードはありますか?

     

    後藤:初めて韓国に行った時は緊張したし感動しましたね。アジアの歴史って複雑だから、最初はちょっと緊張してて。日本人のことを嫌いな韓国人なんてたくさんいると思ってた。でも、ステージに出ていったら全然そんなことなくて、むしろめちゃくちゃ盛り上がってくれたんですよ。ライブが終わってからも、バックステージに韓国のバンドがワ~っと来てくれてCDを交換したりできたし、そのときの交流に感動して「ああ、自分たちにできることっていっぱいあるな。こうやってみんなと繋がって仲良くなっていけばいいんだな」って。当時知り合ったバンドとは今でも友達だし、向こうに行ったらどんなに仕事が忙しくも遊んでくれるんですよ。あれは今でもすごく鮮烈な思い出として残ってますね。

     

    ――バンド結成当初から世界での活動は視野に入れていたんですか?

     

    後藤:そういう意識は意外と早い時期からありました。例えば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONっていうバンド名をつけたのも、アジアのバンドだと思ってもらったほうが世界に出た時に目立つかなっていう気持ちがあったからだし。あと、デビューしたときに、「遥か彼方」っていう曲をアニメ「NARUTO -ナルト-」のオープニングテーマに使ってもらったんですけど、当時は「ロックバンドがアニメの曲をやるのはどうなの?」っていう空気がまだ強かった時代で。でも、「NARUTO -ナルト-」みたいな作品と一緒にやることによって、自分たちの曲も海を渡って世界中でシェアされるんじゃないかってメンバーとも話してたんですよね。だから、当時からアジアっぽい旋律をわざと入れてたし、それは今も意識してますね。実際、そういうメロディを世界中の人たちが面白がってくれるんですよ。

     

    ――今の話にもありましたけど、ロックバンドがアニメの曲をやることに対して批判的な空気が強かった時代に、素直にそういう考え方ができたのはすごいですね。 

     

    後藤:バンドを組んだときから海外でやってみたかったんで、それが実現してることはものすごく嬉しいです。でもまさか地球の裏側まで届くと思ってもなかったからびっくりしてますけど(笑)。ペルーでライブしたことも未だに信じられないし、チリも「これがあの細長いチリなんだ!」ってすごく感動しましたね。

     

    ――それにしても、そうやって20年以上活動してきた末に、今、青春時代から憧れていたミュージシャンと一緒に曲が作れているというのは夢がある話ですね。

     

    後藤:本当にそれは不思議ですね。この状態に慣れてきてる自分が怖いです。でも、欧米のミュージシャンも俺らと同じ人間なんですよね。だから、変に構えずにフラットな姿勢でこれからも世界のバンドと繋がっていけたら嬉しいです。

     

    ASIAN KUNG-FU GENERATION 「廃墟の記憶」 MV

     

    前編はこちら:【MMNインタビュー:前編】「4人で楽しく朗らかにアレンジしていくとどうしようもなくアジカンになる。これはもう逃れようのない、アジカンという病」

  • 【MMNインタビュー:前編】「4人で楽しく朗らかにアレンジしていくとどうしようもなくアジカンになる。これはもう逃れようのない、アジカンという病」

    29.November.2018 | FEATURES / MUSIC

    ASIAN KUNG-FU GENERATIONの3年半ぶり9枚目となるオリジナルフルアルバム「ホームタウン」が素晴らしい。彼らが影響を受けてきた90年代のパワーポップやオルタナティブロックの要素を散りばめる一方、最近のトレンドもしっかり意識。そして、WEEZERのリヴァース・クオモをはじめ多くの作家陣を迎えながらも、どこをどう切ってもアジカンらしさしかない傑作に仕上がった。その理由を解き明かす鍵は制作環境の変化にあった――。今回は、「すごく楽しかった」と語る「ホームタウン」制作の裏側に迫りつつ、様々な国を飛び回る4人に“アジカンと世界”について語ってもらった。

    取材・文 阿刀 “DA” 大志

     

    後編はこちら:【MMNインタビュー:後編】「バンドを組んだときから海外でやってみたいと思ってたけど、まさか地球の裏側まで届くとは思ってもなかった」

     

    ――3年半ぶりのフルアルバム「ホームタウン」がリリースされますが、今作を制作するにあたって、この3年半という時間はどういうものでしたか?

     

    後藤:3年半ぶりとは言え、色々やってたんですけどね。

    喜多: 結成20周年ライブがあったり。

    後藤:でも、バンドの機能を今一度確かめると言うか……例えば、トリビュート盤に参加してみて「アジカンってこういうサウンドになるよね」ってよくわかったり、自分たちは何が得意なのかを改めて確認するための時間だったのかなって感じはしますね。

     

    ――なるほど。今作はこれまでと毛色の異なるものになったと思うんですが、何か制作に影響を与えるような出来事があったんでしょうか。

     

    後藤:一番大きいのは、自分のスタジオをアップデートしたことによる変化ですね。3年ぐらい前に地下室を借りて、そこに機材を運び込んでだんだんアップデートしていったんです。そうすることによって、ここ1年ぐらいでASIAN KUNG-FU GENERATIONのレコーディングやミックスをするような環境が整って、いろんな実験を気兼ねなくやれるようになったり、音を詰めたりするための基地ができたのはすごく大きかったと思います。

     

    ――時間や予算の制約なく、好きなように遊べる時間が増えた。

     

    後藤:そうですね。特にギター録音に関してはかなりいい感じでやれるようになりましたね。みんなでわいわい色んなエフェクターを試したり、すぐにアンプの交換ができたり、マイクも僕が自分で立てたりして。だから、ボーカルとギターは特に影響が大きかったと思います。

     

    ――結成20周年を越えても、新しい環境に身を置くことで新しい発見ってまだまだあるものなんですね。

     

    後藤:どこのスタジオを使うかによってテンションが変わったりすることもあります。いいスタジオだと気持ちが上がってくるし、環境の変化って何をやるにしても一番大きいですね。

     

    ――今作における変化について、喜多さんはどう感じてますか?

     

    喜多:ゴッチ(後藤)がソロをやったり、(伊地知)潔がPHONO TONESっていうバンドをやったりするなかで、「アジカンって何ができるんだろう?」ということをここ数年4人で考えた結果、「自分たちにはこれしかできないし」っていう感じで半分開き直って活動してたんですけど、今作は力の抜けた感じで楽しくできたし、自分たちが元々好きだったポップな仕上がりにできたかなと思います。

     

    ――全体的に90年代のオルタナティブロックを思い起こさせる作品になったと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。

     

    喜多:曲作りやアレンジの段階でゴッチからそういうキーワードが出てきたりしたので、久々にそういう音楽を聴き返したりしながら、「こんな感じかな?」とかイメージ半分でやりましたね。楽しかったです、本当に。

     

    ――なぜそういうキーワードが出てきたのでしょうか?

     

    後藤:元々、90年代のサウンド、特にギターの音がすごく好きで。あの頃は実験精神もあったし、面白い時代だったと思うんですよね。自分たちの青春時代でもあるし。だから、ああいう手触りのギターサウンドで、かつ今日的なビートがあったら新しいオルタナティブロックが作れるかなって。今、世界中でラップミュージックが流行ってますけど、重低音がすごく太く鳴っているんですよ。ロックは生楽器なんでなかなかそういう音を出すのは難しいんですけど、上手くそこに挑戦したら面白いギターサウンドが作れるんじゃないかなっていう最初の見立てがあって。それでPAVEMENT、Dinosaur Jr、BECK、あとはもちろんWEEZERなんかを聴いて、90年代のアメリカの音楽の面白いところを上手く使えたらいいなと思ってやってました。

     

    ――新しいアジカンという印象もありつつ、懐かしさで胸がキュンキュンくるところもあるのはやはりそういう理由だったんですね。今作のもうひとつの特徴としては、ミュージシャンとの共作曲が非常に多いですね。

     

    後藤:俺たちも20年やってきてある程度の型も出来てきちゃってるから、前から「海外のプロデューサーとか、新しい人とやるのも面白いね」っていう話をしてて。それで「聞くのはタダだから聞いてみよう」と思って色んな人に話をしてみたら、意外とみんな乗ってくれて。

     

    ――なるほど。

     

    後藤:今はプレイリストの時代だから、バラエティに富んでいて全方位に広がった作品になってもいいんじゃないかなと最初は思ったんですけど、リヴァース・クオモ(WEEZER)が書いた曲の作業をしてると、「やっぱり、こういう音楽がやりたいよね」みたいな気分になってきて、パワーポップやオルタナティブロック好きの火がついちゃって。だから、作業を進めているうちにやりたいことが変わっていった部分はありますね。

     

    ――そういうことだったんですね。

     

    後藤:リヴァース・クオモとのコラボはわりと最初の段階から決まっていたんですけど、「軽い気持ちで頼んじゃったけど、すごく重たいことを始めちゃったのかも、俺ら」って思ったところはあります(笑)。リヴァースの曲に比べてアジカンの曲が著しくショボいっていうのはナシだし、人の書いた曲のほうがいいってなると僕のソングライティング生命が終わってしまうので(笑)、これはまずいと思ってかなり気合いを入れて書き上げました。

     

    ――でも、リヴァースだけではないですよね。ブッチ・ウォーカーやFEEDERのグラント・ニコラスもいるという。

     

    後藤:でも、ブッチ・ウォーカーに関してはリバースが後から思い出したんですよ。「そう言えば、この曲はブッチ・ウォーカーと一緒に作ったからクレジット書いといて」って言い出して、「あぶないよ! 後で揉めたらどうするんだよ!(笑)」っていう。

     

    ――確かに危ないですね(笑)。その一方で、古くからの仲間であるストレイテナーのホリエさんや、アジカンのライブでサポートミュージシャンをしているthe chef cooks meのシモリョーさん、その他にも複数の若手ミュージシャンが参加しています。ゲストのバランスがとてもいいなと思いました。

     

    後藤:まあ、俺たちの界隈で集めたって感じですけど、すごくいいミュージシャンとやれて楽しかったですね。

     

    ――たくさんのミュージシャンが参加しながらもアジカンとしての軸はブレていなくて、全て4人で作ったと言われても全く疑問を持たないぐらい、まとまりのある作品になったと思います。

     

    後藤:そうですね。この3年半の間に自分たち自身で分析した“節”みたいなものが出てきたと言うか、「アジカンってこういう音だよね」っていうのがより濃く現れてる感じがして、それは面白い発見でしたね。狙ってそうなったわけじゃないんですけど、4人で集まって楽しく朗らかにアレンジしていくと、どうしようもなくアジカンになるっていう。これはもう逃れようがない。ある意味、病ですよね。アジカンという病。もう、こうなっちゃうんだもん。

     

    ――あはは! でも、コード進行がすごくシンプルだったり、個々の音が削ぎ落とされていたり、今までのアジカンにはあまり感じられなかった要素が結構あると思います。

     

    伊地知:リズムのロウを上げるのと単音のよさを聴かせるために、キックの数は減らしましたね。単音のよさを追求していくと自然と音数が減っていくんですよ。海外の音楽は結構そうですよね。日本の若いミュージシャンは手数が多いのが好きですけど。

    後藤:ギターも我慢できなくて弾いちゃうしね。

    喜多:心配でね。

     

    ――音の隙間をつい埋めたくなっちゃう。

     

    喜多:若いときはそうなるよね。

    後藤:バイトのシフトが入ってないと不安になる、みたいな。

     

    ――あはは!

     

    喜多:「休んでもいいんやで」って言ってるのに。

    後藤: 「いや! 俺、できます!」って弾いちゃうんだけど、結果として他の音を消しちゃったりしてね。

    喜多:だから、前よりも抜けるところは抜くようになりましたね。

     

    ――ベースに関してはどうですか?

     

    山田:他のパートと同じように、ベースの場合もフレーズが増えてくると高音を弾く機会が増えてくるんですよ。だけど、今回みたいに低音を追求していくとそれが要らなくなって、そうなると自然とフレーズはシンプルになってくる。なので、今回に関してはアレンジよりもサウンドを重視したところはあります。

     

    ――先ほど後藤さんが名前を挙げていましたが、PAVEMENT的な要素は「サーカス」で強く感じました。他にも、今作は90年代ロックリスナーをニヤリとさせる遊び心が散りばめられているのがいいですね。

     

    後藤:元々、「サーカス」はだるくて地味なミックスだったんですけど、エンジニアのグレッグ・カルビが「この曲は地味すぎる。ハイが足りないからもっと派手にする」って。

    喜多:アルバムのなかで一番地味な曲だったんですよね。

     

    ――今作を聴いた流れで「ホームタウン」のミュージックビデオを観ると、「これはRENTALSのオマージュなのか?」と勘繰ってしまいます。

     

    後藤:それは監督がやったことなんで僕らはよくわからないですけど、RENTALSのマット(・シャープ)とはよく連絡を取ってますね。この3年半の間にマットの家にみんなでバーベキューしに行ったりもしたし。

     

    ――へぇ~!

     

    後藤:「バーベキューやるぞ」って言うから遊びに行ったら具材が何もなくて、自分のバーベキューセットに炭だけ入れて、「好きにしていいぞ」って。「一品持ち寄り制かよ!」みたいな。(笑)

     

    ――最初に言えっていう(笑)。

     

    後藤:結局、腹ペコのまま帰ったもん。食うものは何もないのに、ビールだけ山ほどあって、空きっ腹にビール飲んでどうすんだよっていう。まあ、そんな感じで面白い人ですよ。

    ――ここまで話を聞いていて感じたんですが、この3年半って4人にとってすごくいい時間だったんですね。音楽面だけではなくて、メンタル面においても。

     

    後藤:いろんな体験をしたので。南米、ヨーロッパ、アメリカまでツアーしに行ったりもしたし、僕らは全然休んでるつもりはなかったので。

     

    ――確かに3年半ぶりのアルバムっていう印象が全くないですよね。しかも、初回盤には5曲入り作品「Can’t Sleep EP」まで付いています。なぜこういった試みを?

     

    後藤:2枚別々に買ってもらって二重集金みたいになるのも嫌だし、この時代にアルバムを買ってくれるのは自分たちのことを本当に好きでいてくれる人たちだと思うから、そういう人たちにとってアドバンテージがあるといいなと思って。Spotifyで聴く人もいるだろうから「別々に出す必要あるのかな」って思うところもあったんですけど、一つのアルバムを1時間も聴くっていうのも時代とちょっと合わない感じもして。だから、作品としては10曲と5曲に分けて、それぞれに何らかの意味を持たせたほうが聴きやすいんじゃないかなっていうことでこういう形になりました。

     

    ――山田さんは、「Can’t Sleep EP」収録の「イエロー」で作曲と初のメインボーカルを担当しています。

     

    山田:メインボーカルと言っていいのかわからないような処理をされてますけど(笑)。この曲はゴッチ以外の3人で作っていた曲で、アルバムのテイストとはちょっと違うかなと思いつつ、最終的には収録されたのでよかったです。それだけでも十分だったんですけど、まさか自分で歌うことになると思いませんでした(笑)。

     

    後編へつづく

  • 原宿「BAPY® HARAJUKU STORE」オープンイベントで来日したDARA(ex 2NE1) へインタビュー

    28.November.2018 | FASHION / FEATURES / SPOT

    「BAPY BY A BATHING APE®︎」は、世界でも人気の高いファッションブランド「A BATHING APE®︎」のウィメンズライン。2001年に「BAPY®︎」としてローンチ後、リブランディングを重ね、今年2018年10月にブランド名を変更しリローンチした。

    そんな中、BAPY®のブランドカラーでもある「コーラルピンク」を基調にした旗艦店舗「BAPY® HARAJUKU STORE」がオープン。そのオープニングレセプションパーティーが2018年11月14日(水)に開催され、女優の西内まりや、モデル・インフルエンサーなどが会場を訪れる中、元2NE1のDARAがスペシャルゲストとして登場した。

    完全招待制のパーティにおいて、様々な有名ブランドのショーからも招聘され全世界を渡り歩くファッショニスタであるDARA。「BAPY BY A BATHING APE®︎」の衣装をまとった彼女の存在は中でも異彩を放ち、ブランドのリローンチを大いに盛り上げた。

    MOSHI MOSHI NIPPONではDARAへインタビューを敢行。彼女のファッションや、好きな日本のスポットについて話を聞いた。

    日本へようこそ!東京はいつぶりでしょうか?また今回はどこに行きたいと考えていますか?

    東京は今年の3月が最後だったので、本当に久しぶりです。個人的にもよく遊びに行った場所なので今回も早くまた行きたかったです。仕事で日本に来たのは4年ぶりですね。行きたいお店もいっぱいあります。

    自分のお気に入りのカレー屋さんやラーメン屋さん、ドンキホーテなどで買い物もしたいです。

     

    の方や、世界のファンの方へおすすめしたい日本のスポットはありますか?それはどういった理由からですか?

    日本は本当においしいレストランが多すぎで、いつも何を食べるか迷います。私の知人たちがファッション業界に勤めているので、あまり知られてないお店を紹介してもらいました。特に、原宿や表参道は、私たちがよく衣装を買ったりする行きつけの店やブランド、ストリート、ヴィンテージショップまで全部揃っているところなので、おすすめのスポットです。

     

    ―日本の女の子でもストリトファッションが再ブムになってきています。ストリトなファッションを普段からよく着こなされていますが、BAPYをオシャレに着こなすためのポイントをえてください。

    日本に来るたびに思っていますが、日本の女性は、ファッションを楽しんだり、いろんなところに遊びに行っている印象です。私は主にストリートファッションを好んで着ているんですが、BAPYにもカジュアルなトレーナーやフード、コート、ジャケットなど、いろんなアイテムがありますよね。

    個人的にはカラフルなトレーナーとフードの上に季節に合うコート、そしてヒールやブーツなら、ストリート感とセクシーな女性らしさを両方出せるので好きなスタイルです。「ミックスアンドマッチ」をセンス良く利用するのがポイントです。

    ―今日のコーディネートもカワイイです!コーディネートのポイントをえてください

    今日はストリートというよりは、女性らしくてシックな感じがポイントなんですが、かわいらしさを出すためにベレー帽をかぶってみました。グレーのチェック柄のスカートとジャケット、ロングブーツも大好きです。全体的なスタイリングがよく合ってると思います。

     

     

    世界中のファンの方へメッセジをお願いします

    今回のBAPYイベントが4年ぶりの日本の仕事だったのですが、イベントで出会った方々が(モデル、関係者の人など) 相変わらず、私、そして2NE1を思い焦がれ、応援してくださっていました。とてもびっくりしましたが、すごく嬉しかったです。ファンの方々も同じ気持ちだと思います。

    私はこれからもっと頑張って、色んな活動でかっこいい姿をお見せしたいと思います。

    いつも感謝しています。皆さんが幸せになってくれたら欲しいです!

    また会いましょう^^

     

    「BAPY BY A BATHING APE®︎」の新たな展開とともに、DARAオススメのコーディネートでストリートファッションを楽しんでみて!

  • 【MMNインタビュー:前編】「アニメのキャラ」から「バンド」になったSCANDAL、デビューからの海外活動を語る

    23.February.2018 | FEATURES / MUSIC

    2016年に結成10周年、今年2018年秋にメジャーデビュー10周年を迎えるSCANDAL。今月リリースした8枚目のオリジナルアルバム「HONEY」は、配信開始日にiTunes総合アルバムチャート1位を獲得し、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、ペルーなどのiTunesでもJ-POPチャート1位をマークした。また昨年、HARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)の3人が日本人女性アーティストでは初めてFender社とのエンドース契約を果たすなど、名実ともにこの国を代表するガールズバンドとしてキャリアを積み重ねている。今回はメンバー4人にこれまでの海外活動を振り返ってもらい、ガールズバンドという視点からさまざまな話を聞いた。

    取材・文 / 鳴田麻未

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    ■海外の人は「アニメのキャラクターが演奏してる」って感覚があったんだろうな

    ――SCANDALの結成10周年特設サイト(http://scabest47.com/)の「HISTORY」欄では、「JAPAN」と「WORLD」の活動歴が並列で紹介されてますね。そのくらい海外活動が盛んなバンドなんだなと改めて感じます。まず、初の海外アクションが、2008年メジャーデビュー前に全米6都市ツアーってすごいですね。

     

    RINA(Dr, Vo):初ツアーがアメリカだったんですよね。日本でもまだツアーしたことがないインディーズバンドなのに。そのときはもう場所に関係なく、毎回やることを必死にやり終えていくっていう感じだったんですけど、当時から海外とのつながりっていうのは強いバンドで、その年から毎年欠かさず海外には行ってるんですよ。最初の頃はまだ子供だったんで訳もわからずって感じではあったんですけど、徐々に無視できないものになっていって。海外にコピーバンドがいたり、YouTubeで見て好きになってくれたっていうお客さんが自分たちの想像を超えるような人数集まってくれたり。私たちは基本的に「求めてくれる人がいるところにライブしに行きたい」っていうスタンスなので、国内外でボーダーラインを作らずに、ライブ中心に活動を続けてきてるっていう感覚はあります。

     

    ――なるほど。細かく見ると、最初の数年は「Japan Expo」「AM2」といったジャパニーズカルチャーのイベントへの出演が多かったですね。制服風コスチュームを着て活動していた頃ですよね。

     

    MAMI(G, Vo):そうですね、“制服期”(笑)。アニメの主題歌をやっていた頃なので、そのつながりもあって日本のカルチャーを紹介するフェスに呼ばれてライブすることが多かったですね。

     

    TOMOMI(B, Vo):初期の頃、MySpaceのSCANDALの公式ページに、自分たちのアニメーションみたいなのを作って貼ってたんですよ。それに海外の方が反応してくれることも多かったので、「アニメーション」が日本のカルチャーとして世界に浸透してるんだなって感じてましたね。

     

    ――国際的な場に出て、日本の文化、ひいては日本のガールズバンド文化って海外でニーズがあるんだなと肌で感じてました?

     

    HARUNA(Vo, G):まだその当時は自分たちも無自覚で、単純に呼んでもらえることがうれしい、いろんなところでライブできるっていうことに喜びを感じて行ってましたね。ガールズバンドとしてちゃんと海外に向けて意識し出したのは、わりとここ最近かもしれません。

     

    RINA:ワンマンライブやるようになってから、その意識が強まったと思いますね。海外のお客さんの層も変化していって。カルチャーフェスでは自分たち目当てじゃない興味本位の人も大勢いたし、制服っていうコスチュームに日本のカルチャーを感じて面白がってくれてる人も多かった。海外の人から見たら、アニメのキャラクターが演奏してる、みたいな感覚がたぶんあったんだろうなって思います。

     

    ――2015年には日本、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、メキシコ、シンガポール、台湾、香港の9カ国41公演という大規模なワールドツアーを開催しました。

     

    RINA:このツアーでは、アニメが入り口で知ってくれた人より、YouTubeでミュージックビデオを見て知って、バンドとして応援してくれる人がついてきたなと思って。会場の雰囲気も初期の頃と全然違いましたね。

     

    MAMI:SNSとか動画サイトとかで存在を知ってもらえた状況って、時代的なこともあるなと思うんです。活動し始めた頃はSNSなんて日本ではまだまだ使われてなかったし、YouTubeも今みたいな使われ方はされてなかった。海外とのつながりに関しては時代の移り変わりを感じますね。

     

     

    ■「SCANDAL」というバンド個体で見られるようになったワールドツアー

    ――9カ国を回って、ステージでもオフでも印象に残ってることがあったら教えてください。

     

    RINA:取材を受ける機会も多かったんですけど、このあたりから聞かれる内容が変わってきたなと思って。前は「アニメに対してどう思ってるか」「次はどういうアニメの主題歌をやりたいですか」みたいな、アニメ関連の質問が多かったのが、この頃からバンドに対しての質問が中心になって。そのとき、アニメを通さずに「SCANDAL」というバンド個体で見てくれるようになったんだなって感じました。

     

    MAMI:メキシコとか南米は特に、YouTubeでの日本のバンドの見方がほかの国と違ってて。ほかの国はマンガとかアニメが先行して、そこから派生して「こういうバンドがいるんだ」って見つけていくのが大まかな流れらしいんですけど、南米では「日本のバンド」がカルチャーのジャンルとして確立してて、初めから日本のバンドを検索して、自分で好きなものを見つけて友達に教えていくっていう逆輸入みたいな形ができあがってて。そういう見方をしてくれてたのはすごいうれしかったです。

     

    RINA:ステージで思い出すのは……お客さんのライブの楽しみ方。やっぱり国ごとに独特な文化があるなと思いましたね。日本だったら国旗を掲げて応援するっていうスタイルはないと思うんですけど、自国の国旗を振って盛り上がってくれたり、お酒飲みながら踊ってたり。

     

    TOMOMI:例えばメキシコはサッカーが盛んな国だから、暗転のときオーレーオレオレオレーって合唱したり、スポーツ観戦みたいな感じで見てくれてたね。

     

    RINA:ね! ヨーロッパでツアーしたときは、MCの人が入って盛り上げてくれて、「じゃあSCANDALの登場だー!」みたいなフリからSEが流れる、とか(笑)。国や大陸によって始まる流れも違うんだなって思いましたね。

     

    HARUNA:アジアだと、お客さんも全部一緒に歌ってくれることが多いですね。サビを一緒に歌うことなら日本でもよくあるけど、Aメロから全部一緒に歌ってくれるんですよね。

     

    RINA:HARUNAのマイクのボリュームよりお客さんの声のほうが大きい、みたいな(笑)。

     

    MAMI:台湾、香港、シンガポールはそんな感じだよね。日常的に聴いてくれて好きでいてくれてるんだなって、愛が伝わります。

     

    TOMOMI:日本と違うなと思うのは、お客さんのジャンル。そのライブハウスのファンみたいなご年配の方から尖ったパンクスまで、めちゃくちゃ幅広いんですよね。何からどういうふうにSCANDALを知ってくれたのか、すごい興味深い。まあSNSは大きいと思うんですけど、たぶん10年前だったら出会えてなかった人たちが今ワールドツアーに来てくれてるんだと思います。

     

    RINA:好きなものを簡単に見つけられたり、調べたりできるからこそ、アンテナはすごく研ぎ澄まされていってるんだろうなと思います。

     

     

    ■どう受け取られてもいい、楽しんでもらえればそれが一番

    ――パフォーマンスにおいて意識の違いはありますか?

     

    RINA:厳密に言えば機材やサウンドの違いはたくさんあるんですけど、曲は全部日本語で歌ってるし、気分的には演奏はどこに行っても変えず同じようにやりたいなと思ってます。変えるのはMCですね。その国の言葉でなるべく話そうと努力してます。

     

    MAMI:すごくノリが良いので、煽れば煽るだけついてきてくれるし、「楽しむぞ!」って気持ちを作ってライブハウスに来てくれてる感じがあるので、そこは心配なくやってますね。

     

    ――素朴な疑問なんですが、海外の音楽ファンってアイドルグループとガールズバンドを区別して捉えてるんですかね? 楽器の有無に関わらず、日本の女の子の集団は“アイドル”と思ってる人もいるんでしょうか。

     

    MAMI:「アイドル」って言葉の捉え方が日本とは違うのかなと思います。(日本では)1つのジャンルになってるけど、(海外では)自分に影響を与えてくれた人とか大好きな人、憧れ、スターみたいな存在。そっちの捉え方のほうが強いと思うので、そこで区別する人はそんなにいないかもしれない。

     

    RINA:でも誤解を恐れずに言うと、どう受け取られてもいいと思ってて。「アイドルじゃないですから」って自分たちからわざわざ言うことでもないですし。こういうふうに見てくれとは特別指示しないで、音楽を好きなように楽しんでもらえたらいいなって。というのも、私はアイドルもバンドもカッコいいと思ってるから。アイドルって本当にマルチプレイヤーだなと思ってて。歌もダンスもお芝居もバラエティも全部できて、かつ人間的にすごく外向きな人がなれるものだなと思うんですね。で、バンドという形態でも、アイドル性って武器というか魅力になるものだと思う。やっぱり人として楽しんでもらえる集団でありたいので、自分たちをアイドルって感覚で見てる人がいたとしても、モチベーション的には嫌な気持ちにはならないっていうのが正直なところです。「面白い人たちだな」って楽しんでもらえていたら、それが一番うれしいです。

     

    後編へ続く

     

    ■Information

    SCANDAL
    NEW ALBUM「HONEY」
    2018年2月14日(水)リリース

    ▼完全生産限定盤(CD+Tシャツ)
    AMIAYAプロデュースのオリジナルフォトTシャツ付き!
    価格:¥5,278(税抜)

    ▼初回生産限定盤(CD+DVD)
    DVD内容:Storytellers:SCANDAL
    価格:¥3,426(税抜)

    ▼通常盤(初回仕様)(CD)
    価格:¥2,963(税抜)

    アルバム特設サイト:http://www.scandal-honey.com/

    ニューアルバム『HONEY』ダウンロード配信:https://erj.lnk.to/-gqrHWN

    ライブ情報:http://www.scandal-4.com/live/archive/?43093

    SCANDALオフィシャルサイト:http://www.scandal-4.com/

    SCANDALオフィシャルYouTube Channel:https://www.youtube.com/user/scandalSMEJ

  • 【MMNインタビュー】w-inds.が見据える、世界対応のエンタメ構築「既成概念を取り払って道筋を作っていきたい」

    23.January.2018 | FEATURES / MUSIC

    2001年のデビュー後、その人気を日本のみならず、台湾、香港、韓国、中国、ベトナムなど東南アジア全域に拡大させ、海外でも数々の賞を受賞しているw-inds.。近年は橘慶太が楽曲のセルフプロデュースを手がけており、トロピカルハウスやフューチャーベースなど、世界的トレンドともリンクする先鋭的なサウンドを日本語ポップスにうまく落とし込み、音楽ファンから新たな支持を得ている。今回はメンバー3人にインタビューを敢行。世界に目を向けたさまざまな活動の意図を尋ねた。

    前編はこちら

     

    取材・文 / 鳴田麻未

     

     配信メイン(大)20170523_1srgb

     

     

    ■無料でもいいからどれだけの人に聴いてもらえるかが、今の音楽の価値

     

    ――w-inds.はプロモーション施策でも世界に目を向けた動きをしていますよね。例えば昨年は「We Don’t Need To Talk Anymore」のリミックスコンテストを実施しました。リミックスコンテストは、海外の音楽サービスや、Aviciiやビヨンセといった有名アーティストがやったことで広まったものでもあって。

     

    慶太:そうですね。なかなか日本のメジャーシーンではなかったので、やりたいなっていう気持ちが強くて。あれをやったことで良いトラックメイカーと出会えましたし、チャンスが欲しいと思ってる人はごまんといるというか、機会を与えてもらってないだけで才能はあるトラックメイカーがたくさんいるというのを感じることができました。

    僕がトラックを作り始めたのは5年ぐらい前なんですけど、自分がすでにデビューしてたから周りにプロの人がたくさんいて、そのノウハウを全部教えてもらえたので、普通の初心者より有利だったんですよね。だから同じように、トラックを作る人たちにもっとプロのノウハウを与えられる環境があれば、刺激し合えて、今僕がやってる音楽の幅もより広がるんじゃないかなと感じてリミックスコンテストを開催しました。募集のときに、1個1個の楽器ごとにサウンドをバラしたパラデータを配布したんですね。それは、トラックをこれから作り始めますっていう人にも、プロの人が作ってる音を細かく見られるようにっていう意図だったんです。やっぱり新しいトラックメイカーがどんどん育って出てきてもらうには、プロのノウハウを見せたり教えたりすることが大切だなと改めて思いましたね。

     

    ――さまざまな解釈のリミックス音源が集まったと思いますが。

     

    龍一:それはもう、もう、もう……。送ってくれた音源は今も全部iTunesに入ってるから、シャッフルで流れてくるんですよ。たまに「お! けっこういいイントロだな」と思ったら自分たちの曲だったりしてびっくりする(笑)。

     

    ――9月の「Time Has Gone」リリース時も、慶太さん自身が手がけた「Time Has Gone “Future Pop Remix”」を対象にSpotifyで全世界シェアキャンペーンというのをやっていましたね。

     

    慶太:はい。Spotifyっていうツールは今、世界のストリーミングでナンバーワンじゃないですか。こんなこと言うと語弊があるかもしれないけど、僕はSpotifyで聴かれることがCDを売るよりも一番価値が高いと思ってるんですね。無料でもいいからどれだけの人に聴いてもらえるかっていうのが、今の音楽の価値だと思ってて。そういう意味で、ストリーミングサービスにより特化したことはやりたいなという気持ちがあって、それでこの施策をやりました。

     

    龍一:結果、日本国内と台湾のバイラルチャートで1位、香港で最高4位になりました。楽曲がどの国で多く聴かれたかっていう統計では、日本に次いで2位がアメリカ(当時)なのも意外でしたね。

     

    慶太:個人的には、CDが売れないと言われる時代なので、いろんな音楽の売り方があっていいかなと思っていて。例えばパラデータを売るとかも面白いかなって。自分がトラック作ってるからこそできることですよね。今のw-inds.の武器は「曲が作れること」だと思っていて。となると、一番は曲が聴かれること。曲を作って、いろんな人の協力を得てバラまいて聴いてもらうっていうのが、一番僕がやりたいことというか、やるべきことだと思ってます。それで「This Love」ではAWAとコラボレーションしたり、ストリーミングサービスを使った戦略にチャレンジしてるって感じですね。

     

     

    ■必要なのは“J-POP”という概念の再構築

     

    ――w-inds.は、2001年にデビューして3年後と、早い段階からアジア各国に進出していますよね。中国、香港、台湾、韓国などで原盤をリリースし、数々の国の音楽アワードを受賞してきました。アメリカのポップスに近い今の音楽性になったのも、支持を得ているアジアでそういうサウンドが主流だから、ある種必然という気もしていて。

     

    慶太:そうですね。感覚として、2004年から2007年あたりは、アジアのフェスに出たらJ-POPがダントツカッコよかったんですよ。失礼な話ですけど、中華圏のサウンド、トラックは素人っぽいものも多くて。歌はみんなうまいですけど。

     

    龍一:バラードが多いしね。それが年々「あれ? みんな音カッコよくなってきたな」「PVも良くなってきたな」「もしかしたら、J-POP抜かれてるんじゃね?」って……。

     

    慶太:そうそう。エンタテインメントのレベルが上がっていってるのを目の当たりにして。その焦りはちょっとあったかもしれないですね、自分たちがこういうサウンドをやるようになった理由のひとつに。

     

    ――アジア諸国はどういうわけで音楽改革がなされたんでしょうね? 欧米のトレンドを取り入れるのがうまくなった?

     

    慶太:たぶんインターネットでの情報収集がみんなうまくなったんじゃないかなあ。それと日本の音楽って、ミリオンがバンバン出てすごく売れた時期があるじゃないですか。その音楽が、売れすぎたゆえに当たり前になっちゃって、それ以外がJ-POPじゃないみたいな括りが(進化を)止めちゃってるのかなと僕は感じますね。日本人の僕らがやってる音楽は極論いつでも“J-POP”なはずなんですけど、今の僕らを“J-POP外”とする概念が……。

     

    龍一:確かに! 売れたときの音楽をいまだに引きずってる感あるね。

     

    慶太:それが一番惜しいと思いますね。そこを一回取り払って再構築していかないと、世界に対応できるサウンドやエンタテインメントっていうのはなかなかできないんじゃないかなと。

     

    ――海外活動が豊富な分、日本と海外双方の良さを知っている皆さんですが、それぞれどんな特徴があると思いますか?

     

    龍一:日本のステージセットは安全ですごいですよ! アジア圏は大雑把なんで……。

     

    涼平:あはは(笑)。アクシデントにも慣れたね。お客さんに関しては、海外の人は良いパフォーマンスをしたら素直に評価してくれるから、逆にアウェイでもやりやすいとこがあるね。

     

    龍一:確かに。それから日本人はやっぱりいい人ばっかり。僕、今まで携帯電話2回落として、2回とも返ってきてるんですよ。電車の中に財布忘れたこともあるけど、そのまま戻ってきたし。日本以外では考えられないことだなって。

     

    慶太:真面目だよね。あと気が利くというかさ。ウォッシュレットとか温かい便座とかを発明したり。

     

    龍一:人のこと考えるよね! 察しと思いやりだよね。

     

    慶太:僕たちも日本人なので、そこを大切にしていくべきだと思うんですよ。何かで海外に出たいって思ってる人も、アメリカンスターを真似てムチャクチャなこと言ったりやったりしても勘違いで、日本人らしく海外でやるっていうのがいいと思う。僕はそういう意味で日本人らしい音楽の作り方の研究を重ねてるんです。海外のトラックメイカーがワイワイ言いながら作るスタイルが必ずしも正解だとは思ってない。周波数とか調べて職人的にやるタイプなんですよね。

     

    ■2017年はw-inds.のターニングポイントだった

     

    ――訪日外国人は年々増加してますし、2020年の東京オリンピックはジャパニーズカルチャーに世界が興味を持ち、触れる大きな地点になります。そんなとき、w-inds.は音楽シーンの中でどうありたいですか?

     

    慶太:今とやってることは変えたくないですね。この音楽性を、やりたいけどいろんな事情でやれないって人はたくさんいると思っていて。よくあるのが「日本で売れる曲を作らなきゃダメだ」とか、そういうことを言われるケースはまだ多々あるんです。それを極力取り払えるように僕らが最初に道筋を作っていきたい。ただ、最終的に大きな波を作るのは僕らより下の若者だと思うんです。そういう人が現れたときに健全に音楽を作れる、やりやすい環境を作りたいですね。J-POPの裾野を広げる、いいやり方なんじゃないかなと思います。

     

    ――2017年の活動を振り返ってみていかがでしょうか。

     

    涼平:慶太が作品を作って世に出したことで、コアなファンの人たち以外のところに明らかに届いてるって実感できましたね。今まで届いてほしいけどなんで届かないんだろうって思っていたところに、純粋に楽曲の良さで評価してもらえたのは本当に喜ばしいし、昨年までとは違う動きになってますね。

     

    慶太:w-inds.にとってターニングポイントになる1年だったと思います。世間的な見え方もそうですし、自分たちの意識だったり考え方も大きく変化した年だったので。

     

    ――2018年はどんな方向に動いていくのか、心から楽しみにしてます。

     

    慶太:ずっとやってきたこと+α、毎年何か足していこうって決めていて。幅が広がっていくけど、歌や踊りという基礎の部分もちゃんと大切にできてるのは、17年間長くやってるからこそだとは思います。リスナーの方に「こうきたか」と思わせることは常に狙ってるので、これからの動きも楽しみに待っててほしいです。

     

    ■Information

    w-inds.

    Official site:http://www.w-inds.tv/

     

    DVD発売中「w-inds. LIVE TOUR 2017 “INVISIBLE”」

    初回盤DVD [2枚組]

    特典映像:「Time Has Gone」LIVE ver.コレオ映像 / ツアーパンフメイキング映像

     

    通常盤Blu-ray [1枚組]

    通常盤DVD [2枚組]

    特典映像:メンバー視点のツアーメイキング映像(計30分)

    http://www.w-inds.tv/discography/dvd_vhs/

     

  • 【MMNインタビュー】世界照準の音作りを続けるw-inds. J-POPと海外ポップスの絶対的違いとは?

    22.January.2018 | FEATURES / MUSIC

    2001年のデビュー後、その人気を日本のみならず、台湾、香港、韓国、中国、ベトナムなど東南アジア全域に拡大させ、海外でも数々の賞を受賞しているw-inds.。近年は橘慶太が楽曲のセルフプロデュースを手がけており、トロピカルハウスやフューチャーベースなど、世界的トレンドともリンクする先鋭的なサウンドを日本語ポップスにうまく落とし込み、音楽ファンから新たな支持を得ている。今回はメンバー3人にインタビューを敢行。世界に目を向けたさまざまな活動の意図を尋ねた。

     

    取材・文 / 鳴田麻未

     

    メインアー写

     

     

    ■曲作りのスタートは「次、w-inds.が何をやったら面白いか」

     

    ――現在のw-inds.は、世界に照準を合わせた曲作りをしていると言って差し支えないでしょうか?

     

    橘慶太(以下、慶太):最近の曲は僕が作詞・作曲・プロデュースまで全部作ってるんですけど、その作り方が海外のダンスミュージックのトラックメイカーと同じ方法なんですね。向こうのサウンドが趣向として好きだし、そのほうが踊りもハマりますしね。

     

    千葉涼平(以下、涼平):うん、今流行りのダンスがね。

     

    緒方龍一(以下、龍一):むしろデビュー当時、J-POPで踊るってことの難しさに直面するほうが多かったんです。ビートなのか歌詞なのかメロディなのか、どこをつまんでいけば良くなるのかなとずっと試行錯誤してましたけど、ここ最近の曲は踊っていても気持ちいいし、踊れるようなトラックありきのパフォーマンスになってると思います。

     

    ――例えば1曲作るとき、今はどういう作業から取り掛かっているんですか?

     

    慶太:イメージですね。次、w-inds.が何をやったら面白いか。今まさに次作の制作中なんですけど、「We Don’t Need To Talk Anymore」とか「Time Has Gone」は良い感じで受け入れてもらえたけど、同じようなことをやっても面白くないし、w-inds.らしさもありつつ「こうきたか」ってリスナーに思わせる部分は絶対出したいので、まず「次に何をやったら面白いか」という着想から始まりますね。それがすぐ思いつくときもあるけど、全然思いつかず、どこに行くのが正解かわからないときもあります。

     

    龍一:慶太は常にそれ考えてるよね。

     

    ――具体的にはトラック重視で作られているそうで。

     

    慶太:はい。もちろん音楽の顔って歌だとは思うんですけど、僕はもともと曲のビートを聴いちゃうクセがあって。キックとかベース、主に低域の音の鳴り方が、J-POPと海外のサウンドで一番違うところなんですよね。海外のトラックメイカーの作品は、音数は少ないんだけど1つひとつの音がしっかりしてるものが多くて、対してJ-POPのトラックメイカーはいろんな音を入れて派手にするっていう傾向があるんですね。そこで聴感の違いが出てくるんです。なので、w-inds.の曲も基盤となる音をしっかり作ることは重視してます。ドラムの音色を探すために1日費やすことも。細かい音と音を組み合わせて、ドゥン、ドゥン……ってずーっと打ち込んでます(笑)。

     

    ――トラックを仕上げる際はどんなことを意識してますか?

     

    慶太:僕は、「楽曲の命は10秒」っていう持論があって。イントロでもいいしフックでもいいから、人をつかめる10秒を作らないと、たくさんの人には届かないと思ってるんです。例えばチャート番組で曲が紹介されるとき、だいたい5秒くらいで終わっちゃうけど、その一瞬で「なんだこれ!?」と思ってもらえるようにするにはどういう音がいいんだろう。そこは常に考えて作ってますね。

     

    ――コアな手法も入れるけど、ポップスとしてキャッチーさも追求していると。

     

    慶太:そうですね。やっぱりアメリカのポップミュージックがすごい好きなんでしょうね。実はインストとか聴いてると、どうしても自作のメロディを乗せたくなるんです(笑)。「このコード進行いいな」とか思うと、キー取って、「このメロディがハマったら完璧じゃん!」って。

     

    涼平:それ職業病じゃん!(笑)

     

    龍一:もはや“聴いて”ないね。

     

    慶太:そう、最近はフツーに音楽を聴けなくなっちゃって。音楽が鳴ったら、コードとか、使ってる楽器とか、メロディの流れとか、すぐ分析を始めちゃうんで。悲しいことに、曲聴いてイエーイ!とかなった覚えがもうここ数年ないですね(笑)。

     

    龍一:昔からそういうタイプだよね。パーティとかも行かないし、他の人のライブ見ても分析するし。

     

    ――千葉さんと緒方さんはそういうことないですか? 曲を聴いて、自分ならどう踊るかを考えたり、振付を分析したり。

     

    涼平:「どう踊ろう?」はないなぁ。勝手に体動くことはあるけど。

     

    龍一:でもテレビとかライブでダンスグループを見るときは、どういうテンションなの? 楽しむ側なのか、分析側なのか。

     

    慶太:「あ、あいつ失敗したな」とか思うでしょ?

     

    涼平:失敗したけど……そういうこともあるよね、と思うよ(笑)。粗は探さないけど、まぁ見えちゃうね。

     

    ■チャレンジして変わっていくのがw-inds.のスタイル

     

    ――2014年あたりから音楽性がエッジの効いた方向にソフトランディングしていったと感じてるのですが、それによってライブの演出やダンス、パフォーマンス面はどう変わりました?

     

    慶太:ライブの演出はアルバムを作ってる段階でだいだいイメージしてて、その都度投影させてるんですけど、パフォーマンスもアルバムの内容次第でどうとでも変わりますね。例えば「Timeless」(2014年7月発売)と「Blue Blood」(2015年7月発売)ってアルバムは生音に近いサウンドというか、80年代のファンク&ソウルを現行のサウンドでリバイバルしたような作品で。そのときのライブはあえて映像演出を使わず、照明とバンドのアレンジで魅せる、アンプラグドな感じにして、自分たちも踊りを極力減らすっていうことにチャレンジしたんですね。で、次の「INVISIBLE」(2017年3月)は真逆というか、全体的にデジタルな演出が多くて。自分たちは常にアルバムでその1年の路線を決めるというか、音楽性もファッションも、今年のw-inds.はこう行くんだっていうのをアルバムで提示してる気がしますね。

     

     

    ――かなりコンセプチュアルなグループなんですね。

     

    慶太:コンセプチュアルなんだけど、作品ごとにコロコロ変わるっていう(笑)。デビューから今まで、本当にいろんなコンセプトでやってきたので、15周年ライブとかはセットリストを組むのが大変でした。サウンドがいろいろすぎて。

     

    ――そんな中でも、変わってない、変えたくない主軸というと何でしょう?

     

    慶太:歌って踊る……ことかな? でも究極、楽器持ってやっても僕はw-inds.はw-inds.だと思うし、なんだろうなあ。まぁ、3人でとにかく何かするっていうことですかね。

     

    龍一:うん。

     

    涼平:そうだね。規制がないグループだよね(笑)。

     

    慶太:逆にチャレンジして変わっていくのが自分たちのスタイルだって、最近強く思うんです。ひとつの考えに囚われたり、ひとつにジャンルに絞りだしたりしたら、w-inds.が大切にしてるもの=“変わる”“チャレンジ”がなくなるなんじゃないかって思いますね。

     

     

    後編へ続く

     

    ■Information

    w-inds.

    Official site:http://www.w-inds.tv/

     

    DVD発売中「w-inds. LIVE TOUR 2017 “INVISIBLE”」

    初回盤DVD [2枚組]

    特典映像:「Time Has Gone」LIVE ver.コレオ映像 / ツアーパンフメイキング映像

     

    通常盤Blu-ray [1枚組]

    通常盤DVD [2枚組]

    特典映像:メンバー視点のツアーメイキング映像(計30分)

    http://www.w-inds.tv/discography/dvd_vhs/

  • 台湾で初ライブを実施したsora tob sakanaに台湾モデルの紀ト心(Kimi)がインタビュー!

    06.September.2017 | FEATURES / MUSIC

    8月10日〜14日まで台北市で開催されていたイベント「台湾漫画博覧会」。ステージでは日本のアーティストがステージを盛り上げており、今回MOSHI MOSHI NIPPONでは、初めて台湾でライブをしたというsora tob sakanaにインタビューを実施しました。

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    レポーターを務めたのは台湾の人気モデル紀ト心(Kimi)ちゃん。

    紀ト心(Kimi)ちゃんが気になっているあんなこと、こんなことをsora tob sakanaのメンバーに質問します!

     

     

    紀ト心:はじめまして、私は台湾でモデル・タレントをしている紀ト心です。今回はみなさんと音楽やファッションについてお話しできることを楽しみにしています。私のことはキミちゃんって呼んで下さい。それではまずみなさんの自己紹介をお願いします。

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    神﨑:神崎風花、15歳です。

    山崎:山崎愛(まな)、13歳です

    寺口:寺口夏花、16歳です

    風間:風間玲マライカ、16歳です。

     

    紀ト心:ありがとうございます、みなさんとっても若いですね!それではよろしくおねがいします。

     

    紀ト心:sora tob sakanaのみなさんは、台湾に来るのは初めてですか?

    全員:はい!

     

    紀ト心:台湾のライブはどうでしたか?日本と何か違うところはありましたか?

    寺口:日本とはすごく違った環境だったのですが、みなさん楽しんでくださっているのが伝わってきました。

    紀ト心:衣装はとてもかわいいですね。何かテーマがありますか?

    山崎:なんだっけ?

    神﨑:んーテーマ・・・?

    風間:この髪飾りにテーマがあったような・・・

    寺口:あ!この髪飾りがアワビです。

     

    紀ト心:髪飾りだけでなく、フリルのような飾りも海っぽい気がします。

    山崎:たしかに!いつも白をベースにしている衣装が多いんです。

    風間:透明感のある感じです

     

    紀ト心:そうなんですね。ちなみに、普段はどんなファッションが好きですか?

     

    寺口:原宿っぽい服も着ますし、風花とかは大人っぽい服を着ていることが多いです

    レイは、柄のある洋服をよく着ていて、まなちゃんはパーカーとショートパンツ。

    紀ト心:みなさんそれぞれ色々なファッションをしているんですね。台湾で買い物はしましたか?

    山崎:買い物には行ってないのですが、九份に昨日行ってきました!

    紀ト心:では買い物はまだ行ってないんですね!みなさんに台湾を楽しんでほしいので私のおすすめのスポットを紹介させてください。

    全員:うれしー!!

    紀ト心:台湾の西門町は渋谷っぽい雰囲気で、おすすめです。安くてカワイイ洋服がたくさん売ってるんです!ぜひ行ってみてください。東区にはオシャレなカフェもあるので、そっちもオススメです。また台湾に遊びに来た時は行ってみてください。

    全員:絶対来たい!

     

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    >>次のページ Kimiちゃんオススメの台湾観光スポットを紹介!

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