【MMNインタビュー 前編】Yunomi、日南結里を迎えて生み出した “物語的”新境地サウンドのすごみ。未来茶レコード初コンピ「未来茶屋 vol.0」をリリースする意図とは?

11.January.2019 | MUSIC

Yunomi&YUC’eがオーガナイズするレーベル“未来茶レコード”が、初コンピレーション「未来茶屋 vol.0」を2019年1月12日(土)にリリースする。本作は、ダウンロードカードとして発売される他、Spotify、Apple Music、LINE MUSICなど各種ストリーミング・サービスでもリリースが決定している。2019年のシーンを占う、日本と世界を結ぶ気鋭のアーティストが集結した1枚だ。

 

未来茶レコードの代名詞であるフューチャーベースに捕らわれない次世代サウンドが収録される中、首謀者であるYunomiの新曲「白猫海賊船(feat.日南結里)」について、フィーチャリング・ヴォーカリストとして迎えた日南結里(ひなみゆり)とのスペシャルな対談トークをお届けしよう。声優、シンガーとして活躍する日南結里のプロフェッショナルな姿勢、そして新境地へと果敢にチャレンジするYunomiのクリエイティヴ論に注目してほしい。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

 

■好きな音楽を作りたい人たちが集まって

——未来茶レコードとはどんなレーベルですか?

 

Yunomi:YUC’eさんと一緒にやっているレーベルです。一概には言えないのですが、いわゆるフューチャーベース・スタイルという2015年ぐらいに日本独自のネットシーンから生まれたジャンルがあるのですが、そこからの流れで集まった仲間たちって感じですね。今回コンピレーションとしてまとめてみようと。

 

——コンピでは、フューチャーベースのみならず多種多様なサウンド感、それこそ壁を壊していくような気概を感じました。

 

Yunomi:誰かに言われて作るみたいなことは嫌なんですよ。『未来茶屋 vol.0』には、好きな音楽を好きに作りたい人たちが集まっていますね。まだ僕らを知らない方も多いと思うので、コンピをきっかけに広げていけたら嬉しいです。

 

——Yunomiさん新曲「白猫海賊船(feat.日南結里)」に、日南結里さんがフィーチャリングで参加したきっかけは?

 

日南結里:別のプロジェクトで楽曲提供して頂いて、ご一緒した機会があったんです。それもあってか、今回お声がけいただきました。実際にお会いしてお話しするのは今回の打ち合わせがはじめてでした。

 

Yunomi:WEB連動型音楽配信企画『ひなビタ♪』の、ここなつというグループの「ヒミツダイヤル」という曲がきっかけだったのですが、当時は、ヴォーカル・データのやりとりだけだったんです。

 

 

——本人と直接お会いしてよりイメージが掴めましたか?

 

Yunomi:そうですね。いつもは曲を作ってからヴォーカルを探すことが多いんですけど、今回は特殊なパターンで日南さんに歌ってもらうために作った曲だったので、お会いできてよかったです。

 

 

■過去の方へ向かっていくんじゃないかと確信

 

——「白猫海賊船(feat.日南結里)」は、Yunomiサウンドをアップデートする新境地な展開ですよね。ストーリーテイリングされた映画のような物語性ある楽曲になっていて驚きました。

 

Yunomi:そう思っていただけると嬉しいです。

 

——日南さん、曲を受け取って歌われてみていかがでしたか?

 

日南結里:こういう曲が来たことに驚きでした。ほんと、いい曲ですよね。

 

——グローバルな洋楽的な要素も感じられて、今の時代感を持つリズムセンスであったり、90’sなUKロック風味なメロディアスな要素も感じつつ。総合的に完成度が上がってますよね。制作過程でこだわられたポイントは?

 

Yunomi:話すと長くなりますよ(笑)。これはコンピのために作った曲ですけど、ゆくゆくは自分のアルバム作品に収録したいと思っています。次のアルバムが2枚目になるんですが、アルバムを作ろうと思って作るのははじめてで。

 

——1stアルバム『ゆのもきゅ』は、これまで発表してきた曲を集めたベスト盤みたいな感じでしたよね。

 

Yunomi:2ndアルバムは、テーマをしっかり作っていきたいなと思っています。曲の役割もそれぞれ決めて、サウンドも新しくしたいんです。1stアルバムと同じことやってもしょうがないですし。あと“完成度が上がった”って言っていただけるのは嬉しいです。実は敢えて、音は悪くしてるんです。イメージとしてはアナログな感じですね。今回はソフトウェアという技術の中でどう汚すかを追求しています。これまで、EDM、フューチャーベースと音楽は発展してきてますよね? 実はそれってシンセの進化とともに進化してるんです。ソフトの進化ですね。パソコンのスペックが良くなったから新しいことができる、みたいな。そしてその状況が最近は飽和しているなと感じています。“いい音作れまくり状態”というか。

 

——なるほど。

 

Yunomi:そんな中で、今後音楽がどこへ向かっていくのかなと考えました。そして、過去の方へ向かっていくんじゃないかと確信したんです。なので敢えて、いわゆるポップスのような構成やドラムパターンを意識しつつも、それをフューチャーベース的な手法で作ることにチャレンジしてみました。

 

——Yunomiさんならではのオリジナリティーの獲得ですね。リフなどフレーズ感に90年代オルタナロックなテイストを感じたんです。メロディーだとUKロックテイストというか。バンド感ですね。

 

Yunomi:そのイメージはありました。ギターや鍵盤などの楽器を弾く人って体を動かしながらフレーズを作るじゃないですか?でも、EDMやフューチャーベースって全く体を動かさずに作る人が多いんです。楽器は全くやらない人も多いですし。音色の確認のために鍵盤は使うけど、実際のフレーズの打ち込みはマウスを使ってプログラミングしたりしています。そういった状況の中で、今回はどうやって人間性、身体性を出していくかのチャレンジをしました。それこそ人間がやっているような誤差にまでこだわりたかったんです。

 

——完成形への過程へ向けた、感覚が全く変わってきているのですね。

 

 

■僕の頭からマウスを通して生まれてこないフレーズ

Yunomi:「白猫海賊船(feat.日南結里)」の作曲の仕方についてなんですが、ラップの著作権フリーのフレーズ集があるんですけど、そのフレーズをバラバラに切り刻んで順番を入れ替えて、先に作ったオケトラックに乗せていき、その乗せたラップの音程(ピッチ)を調整してフレーズを作っていきました。ラップの横の時間軸はそのままに、縦の音程の動きを変えて作っていったメロディーなんです。きっと、このメロディーは僕の頭からマウスを通して生まれてこないフレーズで。そういった“バグ”を意図的に作ってみるという挑戦をしました。

 

——なのに、歌物として感動させるメロディアスなバランスもしっかりあるという。となると、それを人間として実体化するヴォーカリストの選定は大事なポイントとなりますね。

 

Yunomi:そうですねぇ。他の人ではなかなか難しかったんじゃないかなと思います。英語の発音を元にした歌詞なので、全体的に複雑な音節になっているんですよ。

 

日南結里:録音した後にプレッシャーを与えられるとは思ってませんでした(笑)。

 

一同:笑。

 

Yunomi:曲について、言いたいことは全部言えました(笑)。

 

後編に続く

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