日米ポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅ × サブリナ・カーペンター対談 2人が感じる ”ポップミュージックの魅力” とは?

09.May.2019 | FEATURES / MUSIC

きゃりーぱみゅぱみゅが最新シングル「きみがいいねくれたら」をリリースする。この楽曲はTVドラマ「向かいのバズる家族」(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌。SNSを通して「いいね」をもらう瞬間の気持ちをポップなサウンドに乗せて、現代の「SNS迷子」たちの背中を押すような前向きなメッセージソングを完成させている。そんな彼女と同じく、現代のポップ・アイコンのひとりとして人気を集めるのが、ディズニー・チャンネルの「ガール・ミーツ・ワールド」のマヤ・ハート役などで知られ、自身も楽曲制作に積極的にかかわるアーティストとしても人気を集めるサブリナ・カーペンター。彼女が2018年のアルバム「Singular Act1」を引っ提げて来日した4月のタイミングで、日米のポップ・アイコンによる対談が実現した。

 


 

――サブリナさんはもともと、きゃりーさんのことが好きだったんですよね。

 

サブリナ・カーペンター:そう、きゃりーさんのファンなの! 今日のネイルも可愛い!

 

きゃりーぱみゅぱみゅ:わぁ、ありがとう!

 

 

――サブリナさんがきゃりーさんを知ったきっかけはどんなものだったんですか?

 

サブリナ:もともとは、姉のボーイフレンドがきゃりーさんの大ファンで、3人で車に乗っていたときに「PONPONPON」がかかったの。それで「すごくいい曲!」と思ったのが最初だった。そのあと、自分で「PONPONPON」を歌った動画を、姉の彼氏に送ったりもして(笑)。それからどんどん、きゃりーさんの世界にのめり込んでいったんだ。

 

――以前、Instagramのストーリーズでもお気に入りの曲として「PONPONPON」を挙げていましたよね。

 

サブリナ:そう。それが前回の来日のとき、1年ぐらい前の話かな。

 

きゃりー:へえ、嬉しいなぁ。

 

 

――今回はそんな2人に「日米ポップ・アイコン対談」というテーマで話を聞かせてください。お互いに世界を舞台に活動していますが、海外のライブで印象的だった体験というと?

 

サブリナ:たとえば、海外でパフォーマンスをする際には言葉の壁があるけれど、そこで逆に「音楽の力」を感じることが多いと思う。歌っているときに客席のみんなを観ると、中には泣いてくれている人もいたりして、「言葉を越えて音楽から伝わるフィーリングを感じてくれているんだな」って思えるのが、すごく嬉しい。今回の日本でのライブにも、前回より多くの人が来てくれて、出たばかりのアルバムの曲も歌ってくれたり、旗やポスターのような小道具を持ってきてくれたりして……。すごく嬉しい体験だった。日本のお客さんは、MCの時間はまるでピンが落ちる音も聞こえるんじゃないか、って思うくらい静かになるよね。最初に来たときはそれに少し驚いたけど、今回はずっと盛り上がってくれていてとっても楽しかった!

 

きゃりー:私もこれまでアメリカや中国など色々な国を回らせてもらいましたけど、みんな日本語が喋れないはずなのに、日本語で歌詞を覚えてきてくれるんですよ。もちろん、いつも話している言葉ではないので微妙に違っている部分もあるんですけど、そこに愛おしさを感じてすごく感動しました。

 

サブリナ:それきっと私のことだ! 私もきゃりーさんの歌を歌っているときは、上手く発音できていないと思うから(笑)。

 

 

――国や言語を越えて音楽で繋がったからこそのお話ですね。お互いに、自分の表現に向かうときに一番大切にしているのはどんなことですか?

 

きゃりー:やっぱり、「自分のやってみたいことにチャレンジすること」は大切にしています。ソロなので、本当にたくさんのスタッフさんの力を借りて実現することですけど、曲ごとにコンセプトを考えて表現していくことはいつも大事にしていて。そのためにも、普段から映画を観たりして気になったところをメモしたり、色んなものを観に行ったりしますね。

 

サブリナ:私も似てると思う。いつも大事にしているのは「2度と同じことはしない」ということ。やっぱり、曲ごとに成長していきたいし、曲を聴いてくれるファンの人たちにも、一緒に新しいことを体験してほしくて。みんなが私のやっていることに共感してくれたり、ロールモデルにしてくれているのなら、自分がリスクを背負って新しいことに挑戦する姿を見せることで、みんなにも色んなことにチャレンジしてもらいたいって思っているんだ。

 

 

――最近だと、それぞれどんなものに刺激を受けているんでしょう?

 

きゃりー:最近だと、たとえば……私はティム・バートン監督の「ダンボ」。

 

サブリナ:「ダンボ」! 私もすごく好き!!

 

きゃりー:もともとオリジナル版も観ていたんですけど、ティム・バートン監督の作品は、その魅力を彼だけのフィルターを通して描いていて、それが本当に素晴らしいと思うんです。CGの表情も絶妙で、魅力的なファンタジーだと思いました。感動して泣いちゃった。

 

サブリナ:可愛い(笑)。私の場合は、過去に旅行してきた場所かな。その土地ごとの色んな文化や風土にインスパイアされるし、そこで目にしたアートや写真にも刺激を受けてるよ。

 

 

――日本から刺激を受けることもあるんですか?

 

サブリナ:もちろん! たとえば、原宿もそう。実はおととい、初めて原宿に行ったの。ずっと行きたかったんだけど、これまでは日本ではオフの時間がなかなか取れなくて。それで、今回初めて探検してみてすごく楽しかった。

 

きゃりー:原宿のどのあたりに行ったの?

 

サブリナ:裏原宿のヴィンテージショップ。あとは、原宿ではないけど、「teamLab」の展示も観に行ったよ。

 

きゃりー:「teamLab」の展示、すごくいいよね。私も行った!

 

サブリナ:とても楽しい展示だったね!

 

 

――今話に出てきた原宿は、そもそもきゃりーさんがかなり詳しい場所ですよね。サブリナさんに色んなオススメの場所を教えてあげられるかもしれません。

 

きゃりー:サブリナさんはどんなファッションも似合いそうだから、たとえばロリータファッションにもチャレンジしてほしい(笑)。きっと可愛いと思います。

 

サブリナ:うん、ぜひやってみたい! 実は「kawaii」系の服も色々と探してたんだ。

 

きゃりー:ラフォーレ原宿の地下に、ロリータファッションやパンクファッションのようなものが揃っていてオススメだよ。そこに行くといいかもね。

 

サブリナ:ぜひ一回、きゃりーさんにスタイリングしてもらいたいなぁ……!

 

 

――日々の中で刺激を受けたり、新しいものに出会ったりする場所と言うと、SNSの存在も大きいんじゃないでしょうか? ファンの人とも親密にコミュニケーションが取れますし。

 

サブリナ:確かに、SNSを通じて、日常の中で「ファンのみんなが楽しみにしていること」に気づけた部分があると思う。昔は自分の目で見たものを通して、自分本位で生きていた部分もあったけど、今はSNSを通して、ファンのみんなと一緒に日常を過ごしているような感覚もちょっとあるというか。だからこそ「自分の日常をみんなにも見せたい」って思うかな。

 

 

――ある意味ではファンのみなさんと一緒に活動しているような感覚でしょうか?

 

サブリナ:その通りだと思う。そもそも、たとえばライブをするにしても、来てくれるみんながいないと、私だけではライブができないから。

 

 

――きゃりーさんはどうでしょう?

 

きゃりー:たとえば海外の公演でも、ライブが終わった後にSNSでタグを辿ると、海外の方も色んな感想を書いてくれていて。そういうものをダイレクトに見られるというのは、すごくいいツールだなぁと思います。自分のことを書いてくれたり、メッセージをもらったりして元気をもらうことは多いので、それがエネルギーになって頑張れる部分もありますね。

 

サブリナ:もちろん、使い方次第ではいいことばかりが起こるわけじゃないかもしれないけど、世界にはお互いのよさや魅力をまだまだ知らない人同士の方が多いじゃない?だからこそ、お互いを尊重し合って、ポジティブなメッセージを伝えていきたいなって思う。

 

 

――きゃりーさんの新曲「きみがいいねくれたら」もSNSをテーマにした楽曲になっていますね。この曲を中田ヤスタカさんからもらったとき、どんなことを感じましたか。

 

きゃりー:今回の「きみがいいねくれたら」はTVドラマ『向かいのバズる家族』の主題歌なので、その内容に寄り添った楽曲になっていますけど、やっぱり、最初に聴いたときに「今っぽい内容の曲だな」と思いました。今って本当に日常にSNSが入り込んでいる時代ですし、そういう意味でも2019年っぽい感じがしましたね。

 

――楽曲に「いいね」を押す動作を連想させる音が入っているのも、とても面白かったです。

 

きゃりー:そうなんです。「ピュッ!」みたいな音が入っているんですよ。

 

サブリナ:それ、すごく面白い!

 

 

――レコーディングの際に工夫したのはどんなことですか?

 

きゃりー:歌う時に工夫したのは、Aメロの部分の歌い方ですね。この曲はAメロの音程が低いんですけど、私はもともと声が高いので、その部分はちょっと苦戦しました。

 

サブリナ:そうなのね。私は逆に男みたいな声だから……。

 

 

――いえいえ、そんなことないですよ(笑)。

 

サブリナ:きゃりーさんとは逆に、高音のパートでいつも苦戦してる(笑)。

 

 

――2人が日々の活動の中で、いつも心掛けているのはどんなことですか?

 

サブリナ:自分の居心地のいい場所を抜け出して、普段ならやらないことをあえてやってみることだと思う。新しいインスピレーションを得るためには、私自身が色んなことを知る必要があって、その結果、ライブのアイディアもビジュアル面も含めて、自分の個性を出していくことを大切にしてる。私のライブにお金を払って来てくれるんだから、その人たちに思いきり楽しんでもらいたい。だからこそ、新しいことに挑戦してたいんだ。

 

きゃりー:私は「女の子たちが夢見ているものを、現実世界で表現したい」ということをずっとコンセプトにしていて、テーマを考えたりするときに、ときには「今回はなかなかいいアイディアが思いつかないな……」と煮詰まってしまう瞬間もあるんです。でも、ひとりではなくて、周りのたくさんの人がいるからこそ、最終的にまとまるんだと思いますね。

 

 

――直近だと、出雲大社での野外ワンマンライブ『音ノ国ライブツアー2019 「まぼろしのユートピア 〜出雲大社の夜〜」』も、きゃりーさんらしいアイディアに溢れたものでした。

 

きゃりー:ライブでは、夢のような世界を表現しつつ、同時に「もう終わりたくないな」という気持ちも大切したいと思っています。たとえば、遊園地に行って「まだ帰りたくないな」って感じるような、あの雰囲気を感じてもらえるようなものにしたい、と思うんです。

 

サブリナ:うんうん。ポップ・ミュージックを表現することって、きっと誰もができる経験ではないと思うから、やるからには思いっきり楽しむことが大事よね。

 

 

――では、2人が「ポップ・ミュージック」に感じている魅力はどんなものだと?

 

サブリナ:これはあくまで私個人が感じていることだけど、「ポップ・ミュージック」って色んな価値観を持った、大勢の人たちが同時に楽しめる音楽で、ひとりの人やひとりのスタイルに向けて作っているわけではない音楽で。だからこそ、世の中で一番難しい音楽なのかなって思う。そういうことを達成したときに、大きな充実感を感じるんだ。何か特定のジャンルの音楽ではないからこそ、言葉の壁を越えて多くの人と繋がれるものなのかなって。

 

 

――確かに、ポップ・ミュージックは「こういうもの」という答えが決まっている音楽ではないですよね。逆に言えば、「どんなものにもなれる音楽」と言いますか。

 

サブリナ:そうそう。8万個ぐらいの色んなジャンルが集まったものなんじゃないかな(笑)。

 

きゃりー:(笑)。私の場合、今こそポップ・ミュージックと言ってもらえていますけど、最初はむしろサブカルチャー的で、万人に好きになってもらえる音楽ではなかったと思うんですよ。でも、「つけまつける」の頃あたりからだんだんみんなに知ってもらえるようになって、そこから色んな人に楽曲が広がっていくのを経験させてもらったので、「ポップ・ミュージックってルールがないものなんだな」ということは私もすごく感じます。

 

サブリナ:色んなことができる音楽だし、もし日々の中で落ち込む瞬間があったとしても、それを聴いているときは、なぜか気持ちがあがったりする――。ポップ・ミュージックって、そんな音楽なんじゃないかな。きゃりーさんのライブも、ぜひ観てみたい!

 

きゃりー:ぜひぜひ! 今はアメリカのどこに住んでいるの?

 

サブリナ:もともとはペンシルベニア出身で、今はLAに住んでるよ。

 

きゃりー:あ!7月にイベント(「OTAQUEST LIVE」)でLAに行くよ!

 

サブリナ:わぁ、7月はちょうどLAにいるから、きゃりーさんにLAのクールな場所をたくさん案内したい。予定が合えば、ロデオドライブに一緒に買い物に行こう!

 

 

Interview & Text: Jin Sugiyama

Photographer:MURA

TALENT PROFILE

きゃりーぱみゅぱみゅ

高校を卒業した2011年夏に、ワーナーミュージック・ジャパンから、中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」(8/17発売)でメジャーデビュー。2012年5月に発売した初のフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」は、オリコンデイリーチャート初登場1位、さらにiTunesでも日本総合チャートや世界各国のエレクトロチャートで1位を獲得。その後、自身初となる全国ツアー、日本武道館単独公演、NHK紅白歌合戦初出場と快進撃を続ける。 2013年には、初めてのワールドツアー(8つの国と地域、13都市)を大成功させ、2013年6月に満を持して発表したセカンドアルバム「なんだこれくしょん」は、オリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。 そして2014年、2度目となるワールドツアー(11の国と地域、15都市)も大成功で終え、サードアルバム「ピカピカふぁんたじん」は、北南米、欧州、オセアニア、アジア圏など世界4大陸、15ヶ国(地域)で同時発売。2作連続となるオリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。そして約3万5千人を動員したホールツアー 「きゃりーぱみゅぱみゅの雲の上のHEAVEN’S DOOR」(15都市17公演)、さらに自身最大規模のアリーナツアー「きゃりーぱみゅぱみゅの からふるぱにっくTOY BOX」(9公演)が大盛況のうちに終了した。 そのかわいい容姿からは想像がつかないほど自由奔放で、オリジナリティ溢れる表現でファンを魅了し続けている。アーティスト活動とファッション面での活動を掛け合わせた、『HARAJUKU』のアイコンとしての存在が、全世界から注目を集める。

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